会社が潰れそうな状況において、転職するという道を選んだものの、今すぐに転職活動を始めるべきか?また失業保険を受け取りながらじっくりと探すべきか悩んではいないでしょうか?
しかし会社はいつ潰れるか分かりませんので、じっくりと悩んでいる暇もありません。
今すぐ転職という選択をするにしても、次の転職先をじっくりと見極めなければ、また同じような状況にならないとも限りません。
一度経営不振の会社を経験すると、二度と同じような思いはしたくないと強く思うはずですので、なかなか思うように転職活動も進まなくなります。
このような状況における転職活動は、どちらにもメリットやデメリットが存在し、それらをすべて理解した上で行動していく事が重要になります。
一般的な転職では、在職中から情報収集を始めて、慎重に転職先を見極めていく事が重要になります。
しかし会社が潰れそうな状況では、時間がどれだけ残っているのかも分からない状況ですので、なるべく労力を削って最短距離で理想の職場を見つけていく事が必要になります。
そこで今回の記事では、会社が潰れそうな状況において転職活動を行う事のメリット・デメリット、そして会社が潰れてから転職活動を行う事のメリット・デメリットをなるべく詳しくまとめていき、どちらの選択が理想の企業に近づけるのかを比較していきたいと思います。
まずは実際に会社が潰れそうな状況で転職活動を行った体験談をご覧いただき、その内容をもとにしてメリットとデメリットの比較、そして最善の転職方法をご紹介していきたいと思います。
これから紹介する体験談では、会社が潰れそうな状況における在職中の転職活動で、多くの人が見落としがちな注意ポイントが非常に分かりやすいものになっています。
そういったポイントに注目して読んで頂ければ、最善の転職方法についてより理解していただきやすいかと思います。
体験談の後には、メリットとデメリット、最善の転職方法についてより詳しくまとめていきますので、是非じっくり読んで頂き今後の転職活動に役立ててください。
会社が潰れそうな状況での転職活動に失敗した体験談
私は以前外資系の会社に勤めていました。外資系は初任給が良いという理由だけで選びました。
ところがその会社で、予想もしていなかった事が起きました。急に激しいリストラが始まり、それにつられて逃げるように転職する社員が増え、社員が激減してしまったのです。
残った社員で、いなくなった社員の穴を埋めるのは並大抵のことではありませんでした。
そして、そんなことになっても何ら対応せず無視するという状況が続き、これが外資系なのかと正直恐ろしく思いました。
社員の補充も進まず会社の存続が危ういのではという噂が流れ始め、ついに私も転職を決意しました。
同じ外資系の会社からいくつか誘いがあったのですが、外資系恐怖症の様な状態になってしまい尻込みしてしまいました。
そこで仕方なく転職活動を始めこつこつと何社も回り、結果幾つかの内定はもらえたのですが、決定要素が無くて困ってしまいました。
初任給で選ぶのはこりごりだし、かといって安月給というのも嫌だし、転職先を選ぶ決定要素を欠くような状態でした。
結果会社の将来性などいろんな事を考えた上で、最終的に安心して働ける堅実なところにしようと思いました。
折角もらえた内定を断るのは申し訳なく、かつもったいない気がしましたが、これを基準に決断しました。
雰囲気が良い職場の魅力
決めた会社は社員数50名ほどで、短時間のパートさんが200名ほどの会社でした。
面接のときから家庭的な雰囲気が気に入っていましたし、事業内容も堅実さを感じていました。
面接官が上司になることも分かっていたので、その安心感という影響も大きかったと思います。
いざ入社して仕事を始めると、上司が何でも教えてくれてとても居心地の良さを感じていました。
労務管理が仕事だったのですが、パートさんが多い分その仕事は大変でしたが、やりがいはありました。
業務の改善提案をしたりするようになり、愛社精神もそこそこに生まれてきました。
驚くべき待遇面での真実
そんなある日一人の社員が定年退職で会社を辞めることになり、ささやかな送別会が社内で行われました。
社長から労いの言葉と共に寸志が渡され、和やかに進行していきました。
帰り際に退職に関する書類などを受け取って、退職者は帰っていきました。
そして皆仕事に戻り普段通りの会社の雰囲気に戻りました。
それから一時間くらいでしょうか、さっき帰って行った元社員が血相を変えて戻ってきました。
何があったんだろうと思いましたが、すぐに会議室に入ってしまったので理由は分かりませんでした。
会議室からは時々怒鳴り声の様な音が聞こえてきたので、ただ事ではないというのは分かりました。
それから30分程して元社員が出てきました。
仲が良かったわけではないのですが、大丈夫ですかと声を掛けました。
すると私は外に呼ばれ、何かの明細の様なものを出されました。
これを見ろ。と出されたのは退職金の明細でした。
その金額を見て元社員の怒りの原因が分かりました。
一般に聞いている退職金とは桁が違っていたのです。
もちろん低い方にです。勤続18年でボーナスよりも低そうな金額でした。
その事から、何かの間違いだと怒鳴りこんできた訳です。
ところがそれは規定通りだからと説得されたというのです。
私は目の前が真っ暗になりました。すぐに上司に真偽の程を確かめに行きました。しかし上司からの返事は間違いないという事でした。
雰囲気が良い事が理想の会社とは限らない
予想だにしない出来事でした。
これから定年まで働こうと思っていたのに、この事実を知ってしまったらやる気など吹き飛んでしまいます。
上司に対して、何故面接時に説明してくれなかったのかと最初は怒りを感じましたが、でもそれは自分の責任ですので何も言えません。
ただ雰囲気だけで会社を選んでしまった自分自身のミスだと思いました。
外資系にいた為に、ボーナスとか退職金にはあまり関心がなかったのも問題だったと思います。
しかしそれらを踏まえても非常識だとしか思えませんでした。
これから転職を考えるなら、まず会社の内部事情や待遇の詳細を調べる事をお勧めします。
面接時に聞けなかった事は、周りにいる人に聞いてでも確かめておいた方が良いと思います。こうして私は二回目の転職を決める事になりました。
会社の雰囲気が良いという理由だけで会社を決めてしまうのだけは避た方が良いと思います。
会社が潰れそうな状況での最善の転職方法
ここまで体験談を読んで頂いたことで、会社が潰れそうな状況での転職活動では、条件が偏ってしまう可能性がある事は理解して頂けたかと思います。
これ以降は会社が潰れる前、潰れた後の転職活動のメリットやデメリットを詳しくまとめていき、最終的に最善の転職方法まで紹介していきたいと思います。
在職中の転職活動のメリットやデメリット
まずは在職中に転職活動を行う事のメリットとデメリットから詳しくまとめていきたいと思います。
状況によっても多少事情は変わってきますので、あなたの会社が今どのような状態なのかをしっかりと見つめ直して考える様にしてください。
正当な評価
会社が潰れる前に転職活動を行うメリットとしては、今のステータスを次の企業に評価してもらいやすいということになります。
会社が潰れてから転職活動を行うと、潰れた会社の社員というイメージが先行し、正当にスキルを評価してもらえない可能性もゼロではありません。
会社が潰れてから無職状態としての人材と見られるのと、潰れる前の会社の人材と見られるのでは、企業側のイメージは大きく異なってきます。
さらに時間が経てば経つほど、潰れる会社の社員も次々と転職活動を始めると思いますので、同業界ではライバルが増え難易度が上がってしまいます。
給与面でのメリットとデメリット
次に考えられるメリットとしては、給与が確保されているうちは余裕を持って優良企業を見つける事だけに集中できるという事です。
給与が満額保障されているうちは、金銭的プレッシャーがないため生活を圧迫されることがないため、より良い転職先を見つけることだけを考えられます。
しかしこのメリットは、会社の状況によってデメリットにも繋がってくる可能性があります。
業績悪化が急激なものになれば、給与カットやボーナスカット、また退職金なども支払われない可能性も出てくるため、早めの行動が肝になってきます。
追い込まれた環境での精神状態
これが一番大きなデメリットになりますが、体験談の様に潰れるかもしれない会社を経験しながらの転職活動では、弱気になってしまい転職する目的がブレてしまう可能性があります。
体験談で言うならば、安定した雰囲気の良い職場という部分だけに縛られてしまい、退職金など給与面の重大な条件を見逃してしまっています。
体験談では通常見逃すはずの無い重要な退職金と言う部分になっていますが、重要なのはこのような精神状態では見逃しが起きやすいという事になります。
在職中でも、不安が大きい状況では見えなくなる条件が出る可能性がありますので、より冷静に行動する事が重要だと言えます。
潰れてからの転職活動のメリットやデメリット
次に会社が潰れてからのメリットやデメリットをまとめていきたいと思います。
会社が潰れてからの転職活動では、失業保険を受け取る事ができるため一見落ち着いて転職活動が出来そうですが、そう簡単にもいかない部分がありますので、是非じっくり読んで判断してください。
失業保険のメリット
会社が潰れて職を失った場合には、失業保険を受け取る事ができるようになります。
しかも会社都合での退職ですので、申請から7日で失業保険を受け取れるようになるため、経済的な損失はだいぶ下げる事ができます。
給付日数も90~330日と長い間受け取る事ができるため、会社が潰れても簡単には困窮するような状況は避けられるようになります。
職を失った事による精神状態
会社が潰れてしまった状況と言うのは、思ったよりも大きなダメージを受けてしまいます。
失業保険で金銭的焦りを少なくするよりも、大きなプレッシャーを感じる事になるため、結果的に潰れた後の転職活動は焦りの方が大きくなってしまいます。
焦りが生まれてしまうと、冷静な判断が出来なくなり、理想の企業を見つける可能性は大きく下がってしまいます。
会社が潰れた事によって無職状態や収入ゼロ状態になると、「次も同じような会社だとどうしよう・・・」といったネガティブな考えが先行してしまうようになります。
このような状態ではまともに企業を見極める事ができなくなる為、会社が潰れた後の転職活動は大きなデメリットを抱えてしまう事になります。
最前の転職方法
これまでの内容をまとめると、会社が潰れた後での転職活動は、まともな精神状態ではなくなる可能性が大きすぎるため、潰れる前から転職活動を行った方が良いという結論になります。
しかし、これはあくまで消去法での選択に過ぎず、最善の方法とは到底感じないかと思います。
では後何が足りないのか?というと、潰れる前の転職活動のデメリットを消していく事が重要になってきます。
潰れる前の転職活動のデメリットとしては、給与カットの可能性と潰れるかもしれない状況のプレッシャーの2つでしたが、これらを消すことが出来れば、潰れる前の転職活動が最善の方法だと自信を持って言える様になります。
まずいつ給与カットになるかもしれないという状況の対策としては、なるべく早く転職活動を終わらせるという事になります。
つまり最短距離で理想の企業を見つけていくという事です。
次に潰れるかもしれない状況のプレッシャーによって条件が見えなくなるという点については、市場価値の分析と冷静な条件設定が対策として挙げられます。
自分自身の今のスキルから導き出した市場価値を把握し、それを参考にしてすべての条件を書き出していく事で、条件のブレは防ぐことが出来ます。
この2つを実践していく事で潰れる前の転職活動のデメリットは打ち消すことが出来ます。
しかし市場価値の分析と冷静な条件設定は、それなりに時間を掛けていかないとあなた自身の中でもなかなかまとまらないものだと思います。
それでは最短距離での転職活動と相反する状況になってしまうため、そうなるとまた焦りが生まれてしまいます。
そこで活用したいのが、転職エージェントになります。
転職エージェントに登録して面談を行えば、あなたの市場価値や希望する条件をアドバイザーがすべて掘り起こしてくれます。
そしてその情報をもとにあなたにとって最善の案件をアドバイザーが見繕ってくれますので、結果的にこれが理想の企業を見つけるには最短の方法になります。
最短にして理想の企業を見つけてくれる最善の方法になりますので、実は会社が潰れそうな状況での転職では、転職エージェントは必須となってきます。
転職エージェントを利用しなければ、時間をかけて条件の見直しをし、それをもとにブレない精神で求人を繰り返し見ていかなければなりません。
これには相当な気力を使うため、潰れそうな会社で働きながら出来る様な事では決してありません。
かといって転職エージェントの利用を躊躇していては、いつ会社が潰れてしまい、先に紹介したデメリットだらけの転職活動を行う羽目になってしまいます。
それではブラック企業などに捕まってしまう可能性が非常に大きくなってしまいますので、会社が潰れそうな状況ならば、必ず転職エージェントは利用するようにしてください。
ひとつ注意点として、あなたの望む条件がアドバイザーに伝わらなければ、もちろんあなたの理想の企業とはかけ離れた案件を紹介されてしまいます。
出来るだけ本音で話しをして、人間関係や会社の雰囲気など、重要視すべき点はすべてアドバイザーに話をするようにしてください。