フリーターなどの非正規雇用の形態から、正社員を目指そうとしている人は多いと思います。
非正規雇用という形態は将来の保障という点で見通しが悪く、年齢を重ねるにつれ不安は増していってしまいます。
しかし、正社員になれれば問題が解決するかと言うと、決してそんな事はありません。
ブラック企業や、全く興味のない企業に転職してしまっては、結局は長く働き続ける事ができず、転職する意味は無くなってしまいます。
非正規雇用から正社員を目指す一番の理由は、将来の保障という部分が一番大きいと思いますので、長く働き続けられる職場でなければなりません。
長く働き続けられる職場の条件としては、仕事内容や給料、福利厚生や人間関係と、実に様々なものがあります。
これらすべてを総合的に考えていく事が重要なのですが、やはり非正規雇用から正社員を目指す場合には、何かしら条件の抜け落ちが目立つようです。
そしてそんな抜けの原因となってしまうものが、フリーターから正社員への転職は難しいと考える事にあります。
そこで今回は、フリーターから正社員への転職が難しいと考える事のデメリットを、実体験をもとに紹介していきたいと思います。
この体験談では、まさに難しい道のりだという考えが邪魔をして転職に失敗してしまうもので、その危険な思考と言うものが非常に分かりやすいものになっています。
そういった点に注目して読んでもらえれば、より深く理解していただけるかと思います。
体験談の後には、フリーターから正社員への転職において注意すべきポイントを、より詳しくまとめていきますので、是非最後までしっかりと読んで頂き、今後の転職活動に役立ててください。
フリーターから正社員への道のりを間違えた体験談
私は5年以上、アルバイトとして飲食店に勤務していました。
その飲食店で正社員として登録されるのもいつになるか分からず、30代になる前に転職しようとずっと考えていました。
本格的に転職をしようと考えていた時、運良く知り合いが働いている運送会社で事務を募集しているとお話をいただきました。
正社員だし、日曜は確実に休みということで、そこまでその会社がどんなとこなのかも調べず面接をしました。
知り合いの紹介だったのですぐに採用が決まり、すぐにでも働いてほしいということで、トントン拍子に決まりました。
かと言って、アルバイトをしていた方のスケジュールもきちんと終えて、引継ぎなどもしないといけなかったので、一ヶ月くらいは掛け持ちという形をとっていました。
入社後に感じた違和感
新しい会社は8時から5時勤務で、アルバイトの方は夜の勤務にしてもらいました。
アルバイトの仕事はとても好きでしたし、不満はほとんどありませんでした。
ただ正社員ということだけに惹かれて転職したのです。そしてそれが大きな間違いとなってしまいました。
運送会社に勤めて3日後くらいの時にはすでに、何かおかしいと感じ始めていました。
事務の女性は6人くらい居ました。仕事内容はほぼ電話番です。いわゆる不在確認での対応や、集荷依頼などです。
私は普通の事務と違って、いろんな管理をする方の事務を任されていました。なので電話は取らなくてもいいと言われていました。
電話は取らなくてもいいと言われていましたが、やはりみんなが電話に出ていて、ずっとお客様を待たせるわけにもいかないので、度々電話を受けていました。
ですが、そうするとやはり自分の仕事が進まなくなります。直属の上司から電話は取らなくていいから自分の仕事をしてくれ、と言われました。
しかしそうなると他の事務の方から怒られてしまいます。それは違うんじゃないか?お客様が優先じゃないですか?と私を間にして、喧嘩が始まります。
内容は違えど、毎日のようにこういった言い合いがありました。
最悪な職場環境
何というか、すごく殺伐としている会社でした。
運送会社なので現金の扱いもあるのですが、毎日のように現金の数が合わないと上司が怒っていました。
しかも、普通にみんなの前で○○さんあなたのとこがいつもお金が合わないんだよ!と言っていました。
普通にその方を犯人かのように言うんです。しかも周りの誰もその事に関して無反応でした。
なんだか本当に異常な環境でした。
昼休みは、二人ずつ取るんですが、毎回誰かしらが誰かの悪口を言っていました。
あの子はお金盗んでいるんだよとか、そういう事を平気で言ってました。
運送会社なので、正直忙しいです。ドライバーさんたちは常にイライラしてましたし、再配の連絡をすると面倒くせー!!と言わんばかりの対応をされますし、毎日怒号が飛び交っていました。
お金の問題、人間関係の悪さ、ドライバーと事務員の不倫関係という問題もありました。
不倫は個人のことだから、他人がどうこう言うことではないけれど、たった一ヶ月でここまで会社の中身が悪いと分かるのは異常がある証拠だと思いました。
運送会社特有のブラック体質
一番の問題はブラック会社という事でした。昨今よく話題になっていますが、運送会社のブラック体質という、まさにあの感じです。
正直、商品を大切に扱おうなんて気持ちは全く見受けられませんでした。投げる行為は日常でした。
今まで自分がこの運送会社に配達させてたのかと思うと怖くなりました。
メール便にいたっては、届けないなんてことも多々ありました。
そんな昼ドラみたいな会社で働くのは初めてだったので、3週間目には心身ともに疲れきってしまいました。
退職を決意
そして一ヶ月後に辞めることを決意しました。
たった一ヶ月で辞めるなんて非常識だと思われるかもしれませんが、あんなブラック会社にいたらうつ病になってしまいます。
現に私を紹介してくれた知人がおかしくなっていました。
何故そんな会社を私に紹介したのか、未だに謎のままです。
この体験から私が言える事は、知り合いの紹介だからといって易々と受けてはいけないということです。
アルバイトの方を辞める前だったので、運送会社を辞めてからもアルバイトの方を長く続けました。
正社員になることも大事ですが、自分の身体が健康であってこそ働けるので、やはり自分に合った仕事を選ぶことも重要だと思いました。
フリーターから正社員は難しいと考える事のデメリット
ここまで体験談を読んで頂いたことで、フリーターから正社員への転職はやはり難しいと感じた方もいるかと思います。
しかしこの話の本質はそこでは無く、難しいと考えてしまう事に問題がありますので、これ以降はその部分について体験談をもとにしながら詳しくまとめていきたいと思います。
無意識に目標を下げてしまう
まず一番重要な事は、フリーターから正社員は難しい道のりだと考えてしまう事で、無意識のうちに目標点を下げてしまうという事です。
冒頭でも少し触れましたが、正社員になる一番の目的は長く働ける理想の職場を見つけ、安定した日常を手に入れる事です。
それが正社員になるのが難しいという意識が先行してしまうと、いつの間にか正社員になる事だけが目標になってしまいがちです。
体験談でもただ正社員という事だけに惹かれて転職してしまったとありますが、これでは長く働ける職場を見つける事は絶対にできません。
あくまで難しいからと目標を下げるのではなく、長く働ける職場でなければ意味がないという事を、しっかりと認識しておくようにしてください。
会社を見極める努力
転職先となる会社に、人間関係の問題などが無いかどうか?というのは、必ず事前に調べておく必要があります。
事前に情報収集を行ったからと言って、人間関係の問題を100%把握できるわけではありませんが、体験談の様な状況ならば大いに意味があります。
体験談では、勤めて3日ぐらいでおかしい状況を感じています。
このような極端に人間関係に問題がある会社ならば、事前に面接などでしっかりと管理者や労働者を見極める事によって、何かしらの違和感を見つけられたはずです。
しかし、正社員になるのは難しいという意識から、そういった情報収集という努力さえも疎かにしてしまうようになっています。
3日で違和感を感じ、数週間で異常な環境とい事を感じる様な会社ならば、どこかで違和感を感じる事ができるはずですので、人間関係を見極める意識を持つという事が非常に重要だと言えます。
正社員になる事が目標の転職
このように、難しいという意識から正社員になる事が目標になってしまっては、結局正社員になる意味など何もありません。
体験談の様に結局アルバイトの方が長く続くような結果になってしまいます。
1ヶ月で辞めてしまう様な事になってしまえば、その後の正社員への道のりは更に険しいものになってしまいます。
そしてこのようなフリーターから正社員を目指す状況では、知人の手を借りて転職するという人も多いかと思います。
知人の紹介だからと信用して何も情報収集を行わなければ、体験談の様に転職に失敗してしまう事に繋がってしまいます。
知人は所詮知人でしかありません。体験談でも知人が何故そんな職場を紹介したのか謎のままですが、知人の紹介などそのぐらいのものでしかありません。
あなた自身の将来を左右する重要な転職ですので、一度目の努力が一番重要になります。
最適なタイミングを見極めて、冷静に状況を判断してく事が転職を成功させるためには必要になってきます。
出来る努力を怠らずに、長く安定して働ける職場を見つける姿勢を忘れない様にしてください。