出産後の転職で正社員になるのは非常に厳しい!本当に理想的な働き方とは?

妊娠・出産を機に子育てサポート体制の整った企業へ転職したいと考える人は多いのではないでしょうか?

 

正社員という労働形態のまま、子育てを中心に考えていけるように残業がない職場、また子供の急な発熱などでも早上がりさせて貰える企業へと転職すれば、働きながらの子育てもスムーズに行う事ができます。

 

 

しかし現実はそんなに甘いものではありません。

 

女性の働き方が改善されてきているとは言え、ずっと働き続けてきた職場ならまだしも、出産後にそういったサポートの整った企業へ転職するというのは非常に敷居が高くなります。

 

 

また、一見サポートが整ってそうな企業に思えても、働き始めると実は毎日残業などあると言う様な状況もあるため、本当にサポート体制が整った企業を見つけること自体にも労力を伴います。

 

 

かといって出産後の転職はパートを選ぶしかないのか?というと、そんなに簡単な話でもありません。

 

正社員として働くのと、パートとして働いていくのでは、生涯年収が大きく変わってくるため、その生活環境に合った働き方を選択していく必要があります。

 

 

このように出産後に正社員という雇用形態で転職するというのは非常に難しいもので、さらに子育てしながら働きやすい環境化を見極める事も簡単ではありません。

 

そこで今回の記事では、出産後の転職が難しいとされる具体的な理由と、パートと正社員等どのような雇用形態を選択していくのが理想なのか、そして正社員を目指す際に必要な考え方を詳しく紹介していきたいと思います。

 

 

まずは実際に出産後に転職活動を行って、その険しい道のりを痛感した体験談を紹介していきます。

 

この体験談では、状況に合った雇用形態を選択する事が重要になるという部分に関しても、非常に分かりやすい内容になっていますので、是非じっくりご覧いただきたいと思います。

 

 

体験談の後には、出産後の転職が厳しい理由や、理想の働き方を詳しくまとめていきますので、こちらも最後までしっかりとお読み頂きたいと思います。

出産後に転職することの厳しさを痛感した体験談

現在アラフォーになる二児の母です。

 

同じくアラフォーの旦那と4人暮らしをしています。

 

 

私が28歳の時に今の旦那と結婚しました。

 

そして、旦那と私の家の間に新居を構えました。

 

 

それは、結婚してもお互いにあまり環境を変えたく無かったからです。

結婚当初の状況

当時は都心部に近い会社に勤めていて、通勤時間に1時間掛かっていました。

 

 

けれど、地元があまり好きではなかったので、それも苦になってはいませんでした。

 

結婚した時は入社4年目、当時は契約社員として働いていました。

 

 

旦那のお給料は平均より少し下。

 

それでも、私も働けば良いぐらいに思っていました。

 

 

結婚当時はその距離感が丁度良かったです。

 

私は一人でいる方が楽だし、自分の時間も取れる事もよかったです。

 

 

結婚して1年した頃に第一子を妊娠しましたが、この辺りから、通勤時間1時間の壁が高すぎる事に気付きました。

妊娠してからの苦労

まず、つわりで電車に乗っていられません。

 

妊婦健診には半休では間に合わず、1日休まないといけません。

 

でも産休も取りたいし、なんとか頑張って乗り切りました。

 

 

ですが、私が産休に入る辺りに会社が不景気になっていきました。

 

子供が生まれ、あっという間に1年経ち、保育園にも入園できましたが、ここからが記憶が無くなるくらい、上の子には申し訳ないですが、覚えていないくらいの時間の流れになりました。

想像以上に大変な子育て

時短勤務とは言え、片道一時間の通勤。

 

朝子供がぐずると電車に乗り遅れそうになり、それだけでイライラしていました。

 

 

何度も電車に乗り遅れ、その度に半休を取り、有給が無くなっていきました。

 

また、電車の遅延でも保育園のお迎えに間に合わない状況でした。

 

 

上の子は一歳にも関わらず、1番長く保育園にいる子でした。

 

でも風邪をひくと旦那ではなく、私がお迎えです。

 

 

その当時は両親も元気でしたが、毎回私の両親ばかりに頼っている事への喧嘩も起きます。

 

 

旦那の両親はまだ仕事をしていましたので、子供の負担が全部私の方に来てしまっている事に限界がきました。

今の会社で働き続ける事に限界を感じる

そんな中、子供の世話をしてくれていた親が病気になり、子育てを手伝ってくれる人が居なくなりました。

 

 

業績が悪化してからはボーナスもなし、昇給もなしの状態でしたが、ここの慣れた会社が好きだったので頑張っていましたが、もう頑張れなくなってしまいました。

 

 

物理的にも、精神的にも子育てが出来なくなってしまいました。

 

親が病気になって、辞める決心をしました。

 

 

こんなにボロボロになるまで誰かに頼って、喧嘩して、上の子も保育園に長くいるようになって、気がつけば何も得たものもありませんでした。

退職後の転職活動

それから通勤時間が短く、今までしていたような事務職での仕事を探しましたが、その頃には30歳を過ぎていました。

 

 

当たり前のように求人がなく、あっても倍率が7倍などでした。

 

2歳になる子供がいて、とてもじゃないですが受かる気にはなれませんでした。

 

 

結局、住んでいる地域で仕事を探しても、パートでもなかなか見つからない状態です。

 

面接では「子育てに協力してくれる人は」との事を聞かれました。

 

 

なので、やっと決まったパート先は、未経験ですが今までと全く違う業種へ転職する事にしました。

 

パートでもこんなに苦労するとは思いませんでした。

出産前には気付くことが出来ない子育ての現実

結婚だけでは、その次のライフステージが待っている事に気付くことができませんでした。

 

その事までしっかり考えておくべきでした。

 

 

保育園のお迎えなどは、まだまだ女性の役割ですから、新居と勤務先の距離はこれ程まで重要かと感じました。

 

また、親や兄弟に頼れるのは非常に大きかったです。

 

それが無ければ、結婚した時点で新居近くの職場を探しておけば良かったと思いました。

出産後の転職がうまくいかなかった事による影響

子供が居ての転職は、何度も面接で落ち、今までの自分まで否定されてしまったようで、本当に辛い気持ちになりました。

 

 

こんなタイミングで転職をしてしまうと、次の子供の事なんて考える余裕も無くなっていましたし、せっかく転職出来たのにすぐ子供が出来たら、などと変な事も考えてしまうと、結局下の子供が生まれたのは9歳差になってしまいました。

 

 

兄弟離れていると楽とも言いますが、全てがやり直しになります。

 

転職がスムーズにいかなかったので、結局、その間にお金も底をついてしまっていました。

 

転職活動をするなら、自分の中から湧き上がるような感覚の時にしたかったです。

 

 

慌ててお金を稼がないと、との気持ちで転職をしてしまった今は、ふと思い出す事があります。

 

昔の仕事の方が向いていたなと。

 

 

それも未経験の仕事をしたから分かった事ですが、長く続くには理由もあったんだなと思いました。

今後も続く不安

今の仕事はまた転職したいと思っています。

 

けれど、下の子供にもまだまだ手がかかるので、何年先になるか分かりません。

 

 

その頃には転職すら出来ない気もしています。

 

また、限界になる前に何度もSOSが出ていました。

 

 

ここまでボロボロになる前に、お金の事だけでなくしっかり考えれば良かったと思っています。

 

そのタイミングでゆとりを持って探していたら、また転職したいなんて思わなかったかもしれません。

出産後に正社員に転職する事の難しさ

ここまで体験談を読んで頂いたことで、出産後に正社員として転職する事の難しさや、経済的に余裕のない状況でパートを選択する事の厳しさは理解して頂けたかと思います。

 

ここからは、出産後に正社員へと転職する事が難しくなる理由や、理想的な働き方の選択方法、出産後に正社員を目指す方法について、より詳しくまとめていきたいと思います。

出産後に正社員へ転職することが難しい理由

まず最初に、出産後に正社員に転職するということが難しいという、その理由から紹介していきたいと思います。

子育てとの両立の難しさ

当たり前の事ですが、正社員として働くからには、仕事の責任というものが大きく圧し掛かってきます。

 

残業が少ない会社に転職できたとしても、担当する業務で問題があれば、急な残業で仕事を進めなければならない状況もあり得ます。

 

 

また、正社員で働く以上、職場での貴重な戦力の一人ですので、勤務時間や勤務日数など子供の行事に合わせて休むという事も簡単にはできなくなってしまいます。

 

正社員で働くという事は、企業にそのような働き方を求められるという事ですので、企業側も子育てとの両立の難しさを把握した上で、出産後間もない方は採用しないという選択をする様になってしまいます。

仕事に専念する事が難しい

これも企業側からの視点になりますが、企業側はコストをかけて採用を行い、時間を掛けて人材を育てていきます。

 

出産後の場合には、子供の急な発熱などで迎えに行かなければならない状況が多くなり、仕事に専念して覚えていくという事が難しくなるのではないか?という懸念を持たれるようになります。

 

 

出来るだけ早く仕事を覚えてもらった方が、企業的には時間的ロスを防げますので、積極的な採用には繋がりにくくなってしまいます。

それぞれの雇用形態のメリットやデメリット

次に理解しておくべき事は、それぞれの働き方のメリットやデメリットになります。

 

これらをしっかりと理解し、その上であなたの状況に合った働き方を選択していく事が重要になってきます。

正社員のメリット

正社員として働く大きなメリットは、やはり収入の部分になってきます。

 

夫婦の年収を計算し、かつ子育て込みで考えた将来の必要経費をしっかりと計算し、それに必要な年収が正社員でしか得られなければ、パートや派遣では生活が成り立たなくなってしまいます。

 

 

体験談の様に単に正社員としての道が険しいからといってパートを選択してしまうと、いつしか貯金も底をつくようになってしまいます。

 

 

さらに子育てサポートに特化した福利厚生などが充実している事も正社員の大きなメリットになります。

正社員のデメリット

正社員として働くデメリットは、突発的な残業など子供中心の時間調整を行いにくいという点が真っ先にあげられます。

 

正社員となると、どうしても責任感が大きくなりますので、簡単に子供の行事などを優先して休みを取る事も難しくなります。

 

 

また、会社によっては転勤や出張などもあり得るため、小さな子供がいる環境では、非常に大きなデメリットを伴う事になります。

派遣社員のメリット

派遣社員のメリットは、何よりもまず時間の調整がしやすいという点になります。

 

派遣という形態ならば、事前にゆとりを持った時間を指定して働くことが出来るため、子供に合わせた時間で働くことが出来る様になります。

 

 

また、正社員の時の様な突発的な残業という面でもメリットがあり、基本的に事前に契約した内容の範囲内の仕事になりますので、事前に残業なしと契約していれば、残業を行う事はほとんどありません。

 

時給も比較的高い為、同じ労働時間であればパートなどよりも多く稼ぐことが出来ます。

派遣社員のデメリット

派遣社員のデメリットは、将来の保証がないという事があげられます。

 

基本的に短期契約更新になりますので、企業が更新しないとなれば急に仕事を失うリスクがあります。

 

 

さらに正社員と比べて、ボーナスや退職金が無い為に、生涯年収として見れば大きなデメリットを抱える事になります。

 

またやりがいという意味でもメリットは少なく、あまり責任のあるような仕事は任せてもらえず、やる気を長く保つ事が難しいというデメリットがあります。

パートのメリット

パートのメリットとしては、働きやすいという部分になります。

 

体験談の様に未経験だとしてもパートならば雇ってもらえる可能性は大きくなります。

 

 

また週何日働くという調整がしやすい事もメリットになります。

 

労働時間に関しても融通が利きやすい為、普段の子供の生活に合った働き方が出来る様になります。

パートのデメリット

パートの大きなデメリットは、収入とキャリアになります。

 

まず時給が低い為、生涯年収で計算すると正社員等と比べると大きな差が生まれてしまいます。

 

 

体験談の様にお金が足りずに貯金が底をついてしまうという状況もあり得るため、必要なお金をしっかり計算した上で選択する必要があります。

 

また、キャリアについても大きなデメリットがあり、子育てが落ち着いて元の様な仕事に戻ろうと思っても、ブランクからそう簡単にはいかなくなります。

 

 

キャリアを戻す際に役立つスキルが磨けるものや、持っているスキルを錆びさせない様な仕事内容を選んでいく事が必要になってきます。

出産後に正社員を目指す為に必要な事

このように、それぞれの経済的な状況や、子育ての役割に合わせて労働形態を選んでいく事が重要になってきます。

 

その上で問題になるのが、やはり正社員でないと生活が続かないという状況の場合になります。

 

 

経済的な問題から正社員でなければやって行けないという場合も多いかと思いますので、ここからは出産後に正社員を目指す際に必要な事について紹介しておこうと思います。

転職理由

まずもっとも重要な事が、転職する理由になります。

 

もちろん今回の様な場合には、「子育てしながら生活を成り立たせるため」なのですが、こういった理由を前面に出していく事は避ける様にしてください。

 

 

企業が正社員に求めている事は、あくまで戦力です。

 

つまりアピールすべきは、その企業でやっていく心構えや企業の利益になるスキルのアピールになります。

 

 

子育て中の転職活動となると、どうしても企業側からは福利厚生目当ての転職だと見られやすくなりますので、仕事に向き合う姿勢を重要視してアピールするようにしてください。

スキルを活かせる仕事

採用されるかどうか一番大切な事は、企業に採用するメリットを感じさせられるかどうかになります。

 

そのためあなたが持っているスキルを活かせる仕事でなければ意味がありません。

 

 

新卒の様にこれまで取得した資格をアピールし、入社後にさらにスキルを磨いていきたいとアピールするだけでは物足りません。

 

転職してすぐに持っているスキルを活かせる仕事を選んでいかなければ、企業を採用させる気にさせる事は出来ません。

子育てサポートの整った会社を選ぶ

子育てサポートなどの福利厚生などが整った会社では、子育てする女性に理解がある場合が多くなります。

 

その為、出産間もない状況だとしても、採用される可能性が非常に大きくなってきます。

 

 

もちろんこのような会社がたくさんあるわけではありませんが、ひとつ見つけるだけで採用される可能性が大きく変わってきますので、選択肢のひとつとして常に持っておく事が重要になってきます。

 

子育て女性に特化した転職エージェントなどを利用する事で、こういった求人を見つける可能性を広げる事ができます。

 

 

転職エージェントを利用する事で非公開求人も多くなりますので、通常では見つけられない様な求人を紹介してもらえる可能性も大きくなります。

子育てサポートの体制を整える

正社員として働くからには、子育てのサポートを周りにお願いする事は必須になります。

 

体験談の様に、親にサポートを頼める状況ならば、通勤に1時間かかっても正社員で働き続ける事は可能になります。

 

 

親でなくとも、正社員として働くことで収入が大きくアップするような状況ならば、ベビーシッターを利用しても構いません。

 

ベビーシッター代も馬鹿にはなりませんが、それを差し引いてもパートより稼げる状況ならば検討する価値はあります。

出産後に転職するという事

これまで紹介してきたように、出産後に転職するという事は、経済的な状況や子育てサポート体制などによって、選ぶべき労働形態は決まってきます。

 

体験談の様に正社員としての転職が難しいからといって、安易にパートを選択すれば、生活自体が成り立たなくなる可能性があります。

 

 

子育てに関して周りにどのようなサポートをしてもらえるか?また子供の病気時に夫婦でどのように役割を分担していくか?という部分をしっかり話し合っておく事が、非常に重要になってきます。

 

出産後に正社員へ転職するという事は非常にメリットは大きいですが、一番大切なのは無理のない働き方が出来るかどうかになります。

 

 

子育てを行いながら正社員で働くという事自体が大変な事ですので、より無理のない働き方が出来る様にしっかりと話し合い、そして計画を立てていけるようにしてください。

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