念願の内定を得たにも関わらず、具体的な労働条件がまだ分からず、どのように確認すべきか迷ってはいないでしょうか?
実はこういった状況の方は意外と多く、入社してから労働条件の違いに気付いて後悔している方も多くなっています。
労働条件を通知する事は企業側の義務になっていますが、それを明示する書類は企業によって様々で、労働条件通知書で明示する事が一般的ですが、採用通知書や雇用契約書といいう文書の中に明示される場合もあります。
また中小企業などでは、こういった仕組み自体が無い場合もあり、そういった場合には自ら行動を起こさなければ労働条件を知ることは出来ません。
そして企業によって記載されている内容にも差がある為、事前にチャックすべき項目をしっかりと把握して、働き始める前にこれらをはっきりさせておく事が重要になります。
そこで今回は、まず内定後に労働条件を確認しておく事の重要性、そして実際にチェックしておくべき具体的な項目について詳しく紹介していきたいと思います。
まずは実際に内定後に労働条件を確認せずに転職し、働き始めてから詳しい労働条件を知る事になり後悔した失敗談をご覧いただきます。
給与というかなり重要度の高い労働条件が、求人票と大きくかけ離れていたという信じられない様な内容になっていますが、実はこういった事はよくあることになります。
企業によっては、転職者側からは労働条件を確認しづらい状況である事を逆手に取って、こういった方法で労働条件を明示する悪質な企業もあります。
まずはこの体験談を読むことで、内定後すぐに労働条件を確認するべきだという重要性を理解していただきたいと思います。
体験談を読んで頂いた後には、チェックしておくべき具体的な綱目についても詳しく紹介していきますので、是非最後までじっくりと読んで頂き、今後の転職活動に役立ててください。
内定後に労働条件を確認せずに転職に失敗した体験談
看護師資格を取得し、就職してしばらく経った頃、もう少し給料の高い職場がないかと思い、転職活動を始めました。
ハローワークにて求人を探していると、今よりも高い給料がもらえそうな求人を見つけた為応募することに決めました。
この求人先に応募することが大きな落とし穴にはまることをその時は想像していませんでした。
面接の日程が決まり、求人先の有料老人ホームに向かいました。
履歴書を担当の方に渡し面接が始まりましたが、履歴書に目を通している様子もなく、いつから働けるのか、看護師の業務頑張ってね、という内容だけで終わりました。
ものの数分で採用が決まり、私はなんて幸運なんだろうと思いました。
転職後に初めて知った労働条件
実際に働くことになって数日後、契約書にサインするように言われ、書類に目を通すと、ハローワークに提示されていた内容とはかけ離れたものになっていました。
給料が半分以下になって記載されていたのです。
転職したばかりでなにも指摘できず、そのまま書類にサインしてしまいました。
私自身も生活がかかっており、せっかく決まった職場を辞める訳にもいかないので、辞めたいと話す勇気もありませんでした。
きっと最初だけこの少ない給料で、数か月後には増えるのではないかと思うようにし、誰にも相談することなく働き続けました。
残業も多かったのですが、残業代が支払われることもありませんでした。
そして職場の上司から、今看護師足りてるから別にいらないのよ、という様な事を言われました。
私はこの時ようやく転職に失敗したことに気が付き、退職を決意しました。
転職を失敗した原因
この転職に失敗した理由はいくつかあります。まず1つ目に、給料の事しか見えていなかったことです。
他の求人先よりも高い給料を提示してきている場合は、何かしら理由があるのだと考えなければなりませんでした。
2つ目に、その求人先の見学に行かなかったことです。
職場の環境を見て、実際に働くスタッフと話をしていれば、この求人には応募していなかったと思います。
3つ目に、面接時に契約内容についてしっかりと質問できていなかったことです。
相手の言いなりになるばかりではなく、質問を積極的にしておくべきでした。
このような失敗を経験した事で、その後の転職活動に活かすことができ、次の転職には成功し、しっかりと契約通りの給料をもらうことができました。
また、看護師として知識も技術も向上させることができました。
とても大きな失敗をし辛い思いもしましたが、今になってはとてもいい経験だったと思っています。
これから転職される方は目先の給料だけでなく、自分で気になる求人先をリサーチしすることで、よりよい転職活動が行えるのではないか、と私は思っています。
内定後に確認すべき具体的な労働条件
ここまでの体験談を読んで頂いたことで、内定後に労働条件を確認せずに働き始める事には大きなリスクが伴う事は理解して頂いたかと思います。
これは状況によって変わるものではなく、どんなに希望していた企業だとしても必ず確認するようにしなければなりません。
これ以降は、具体的に労働条件を調べる際の注意ポイントや、具体的にチェックすべきポイントについて詳しく紹介していきたいと思います。
労働条件の確認方法
まず大前提として、内定を受諾したり雇用契約書にサインをしたりすることで、雇用契約は結ばれるようになります。
つまり労働条件を確認しないまま内定を受諾したり雇用契約書にサインしたりして、働き始めてから思っていた条件と食い違いがあったとしても、すべて自己責任となってしまいます。
冒頭でも申し上げましたが、そういった確認しづら労働者の心境を逆手に取ってくる企業もありますので、あなた自身が積極的に確認していく姿勢が重要になってきます。
多くの場合は内定連絡後に郵送されて来たり、内定通知のメールなどに記載されていたりしますが、こちらから言わなければ教えてくれない企業も存在します。
まずは内定通知を受けたら、労働条件通知書などの確認書類を貰えるか確認し、無い場合にはチェックすべき項目をきちんと確認する必要があります。
電話で確認しても構いませんし、時間を取ってもらって面談という形で確認しても構いません。
面談を行えば、希望と食い違いがある場合には交渉する事も出来ますので、より質の高い話し合いができるようになります。
労働条件通知書の内容
労働条件通知書に記載されている内容は、企業によって大きく異なるため足りない情報があれば、その際にもあなた自身から確認するようにしなければなりません。
また、電話などで説明してくれる場合にも、必要な情報全てを向こうから話してくれる訳ではありませんので、この場合にも足りない項目をしっかり尋ねる様にすることが重要です。
そしてそこで知らされた労働条件が、求人票に記載されていた内容や面接で言われた条件と大きくかけ離れていないかを確認していきます。
体験談の様に給与が半分以下に記載されている様な状況もあり得ますので、重要な項目はすべて確認しなければなりません。
ここでもし大きな食い違いがあった場合には、それで内定を辞退するのではなく、まず担当者に確認を取ってみる事から始めましょう。
単なる記載ミスの場合もゼロだとは言えませんので、冷静に行動していく事が重要になります。
通知することが義務となっている労働条件
次に労働者に明示する事が義務となっている労働条件の項目を紹介していきます。
これから紹介する項目は明示する事が義務となっているものですが、企業によって偏りもあるためあなたがしっかり把握して確認していく事が重要になります。
・労働契約の期間
・就業場所
・業務内容
・労働時間や時間外労働の有無など
・休日の日数や有給休暇の日数、休日出勤の有無
・賃金や手当、支払日など
・定年など退職に関する事など
これらの情報は、通知する事が義務化されているだけあって、どれもすごく重要な絶対に確認すべき項目ですので、記載がない場合や労働条件通知書が無い場合には必ず確認しておきたい項目になります。
確認しておきたい項目
通知する事が義務化されている労働条件以外にも、事前に確認しておかなければ転職後の後悔に繋がる項目がありますので、それに関してもここで紹介しておきたいと思います。
・入社日
・社会保険の有無
・転勤の有無
・育休・産休の制度
・試用期間の日数や待遇
・賞与の仕組みや支払日
・昇給
・退職金
・休職に関する制度
これらの条件は口頭で伝える事が義務化されているものもありますが、先ほどの条件と同じで知らされない状況も多い為、通知が無い場合にはあなた自身が積極的に質問していく必要があります。
内定の承諾
労働条件通知書などで、具体的な労働条件が把握でき問題がなければ、内定承諾の連絡をする必要があります。
企業によってその期間は異なってきますが、通常ならば2~3日程度で返事をするのが理想的な形になります。
企業が採用に動いている期間にも限りがありますので、出来るだけ早い返答が理想的です。
特別な事情があって慎重に考慮したい場合でも、出来るならば1週間以内は返事をする様に心がけてください。
内定の保留
事情をしっかりと説明すれば、内定を保留できることが出来ます。
通常の企業ならば内定の保留は当たり前に出来る事ですが、より迅速な人材補充を求めている場合などには、内定を取り消しされるリスクもあります。
よっぽどの状況でなければ起こり得ない事ですので、あまり心配する必要はありませんが、取り消しのリスクがあるかもしれない事は頭の片隅に入れておいてください。
内定保留=辞退の可能性と捉える企業もあり、保留を伝えた時点で取り消しを匂わせる企業もあるようですが、そのような企業は人材の扱いに問題がある可能性が大きくなりますので、無理に内定を目指す必要は無いと言えます。
「家族と相談する時間が欲しい」、「労働条件を再度慎重に考慮する時間が欲しい」などの伝え方をすれば、通常1週間程度は待ってもらえますので、時間が欲しい場合にはしっかりと伝える様にしてください。
内定承諾後の辞退
もしあなたがすでに内定を承諾している状況で、まだ迷いがあるというのならば、これからでも内定を辞退する事は可能になります。
法律的には問題の無い行動ですが、内定を承諾した時点で企業はあなたを迎える為に動き出していますので、企業に迷惑を掛ける事は間違いありません。
法律的には大丈夫だとしても、マナー的には好ましくない行動になりますので、よっぽどの事が無い限りは内定後の辞退は避けたいところです。
しかし労働条件に大きな問題がある場合など、あなたの今度の社会人人生に大きな影響を及ぼすような問題が見つかった場合には、損をするのはあなただけですので、内定後であろうと辞退する事を躊躇してはいけません。
無理な環境ではどちらにせよ長続きはしませんので、慎重に労働条件を考慮して、冷静に判断するようにしてください。
内定後に労働条件を確認する事の重要性
これまで紹介したような項目を、内定後に確認する事は、体験談を読んでもらえれば分かるように、絶対に必要な事になります。
今あなたが内定を貰った状況だとするならば、すでに労働条件通知書などを受け取っている状況だと思います。
もし貰っていないのならば、今すぐに企業に連絡して確認する必要があります。
もしそれで詳しい条件を後回しにされるような企業ならば、承諾後であろうと転職すべき企業とは言えません。
せっかく貰った内定ですので、辞退するのはもったいない気持ちがあるかもしれませんが、人材を大切にしない様な企業やブラック企業の場合には、どちらにせよ長く働くことはできず、無駄な期間を過ごしてしまう事になります。
今こそあなたが転職をしようと思った理由を思い出してください。
何かしら目標があって転職を結視した事かと思いますので、その条件で本来の目的が達成できるのか?もう一度冷静に考えてみる事が必要になってきます。
通常給与などの条件はあなたの能力に対する評価ですので、簡単に覆すことは難しい事です。
しかし体験談の様に、あまりにもかけ離れた条件の場合には企業側の思惑の可能性もありますので、そのような状況の場合には辞退する事を躊躇してはいけません。
ちょっとした誤差だとしても、もう一度労働条件を確認して転職しても良い企業なのかどうかは、しっかりと判断するようにしてください。
辞退して転職活動を再度行う事に躊躇する方もいるかと思います。再び再開して良い企業が本当に見つかるのか?時間的な余裕が無くもう一度やっている暇があるのか?
こういった心配もあるかと思いますが、それでもブラック企業などに転職してしまえば、精神的に病んでしまい働けなくなってしまう可能性もあります。
そういった状況こそ最悪の状況ですので、あなたに合った企業を見つけるということは非常に重要な事になります。
不安が大きすぎて辞退する事を躊躇するという方は、転職エージェントの利用も視野に入れる様にしてください。
転職エージェントを利用すれば、労力は大きく減り、非公開求人など道も大きく開けてきますので、転職の成功率は大きく上がってきます。
給与交渉や内定辞退なども、基本的にはエージェント経由で行う事になりますので、今回紹介したようなポイントを実践しにくいという方には、その部分でも大きなメリットがあります。
何より理想の求人を見つける時間、企業を見極める時間なども短縮できるようになり、転職を実現させるまでの時間も大幅に短縮する事が可能ですので、たくさんのメリットを得る事ができます。
ただひとつ注意点として、転職エージェントにもいろんな人がおり、自分の利益しか考えない様なエージェントも存在しますので、エージェント自体も見極める様にしてください。
とは言っても時間に余裕が無くてエージェントを見極める様な時間は無いという方も多いかと思います。
転職活動は時間が限られている場合が多いですので、確かにエージェントをじっくり見極めるというのは、非常に勿体ない時間になってきます。
そんな方は、是非私がおススメするdodaを使ってみてください。
dodaならばエージェントの質自体が非常に高く、見極めをおこなう必要性がないため、安心して相談することが出来ます。
出来るだけ早い転職実現を求めるのならば、少しでも無駄な時間は省きたいことだと思いますので、ここは私を信用して是非dodaを使ってみる様にしてください。
今回紹介したようなポイントに気を付けて、転職エージェントを利用して転職活動を進めていけば、転職を成功させる確率は大きく上がってきます。
正しい企業の見極めを行って、後悔する事の無い転職を実現させられるように、是非今回の記事の内容を参考にしてみてください。