転職をより確実に実現するために、知人の紹介で話を勧めようと考えてはいないでしょうか?
確かに知人の紹介があれば転職をよりスムーズに行う事も出来ますし、より確実に人材を確保したい企業のメリットも大きく、社員からの紹介制度を採用している状況がも増えてきています。
ただ知人の紹介であれば、転職が成功するという事では無い為、注意しておく必要があります。
転職の実現率という点では確かにメリットがあるのは確かですが、デメリットも多く存在するため、通常の転職と同じように考えてはいけません。
知人の紹介による転職のデメリットをしっかりと理解しておかなければ、転職後に後悔する事になってしまいます。
実際にこういった状況で転職に失敗している人も多いですので、今回の記事では転職を知人の紹介で実現する場合の注意点や断り方について紹介していきたいと思います。
まずは、予期せぬ形で知人の紹介によって転職する事になった体験談をご覧いただきます。
この体験談では、こういった状況での注意点というものが非常に分かりやすいものになっていますので、知人に紹介してもらう状況のデメリットというポイントに着目して読んで頂きたいと思います。
体験談を紹介したあとで、知人の紹介による転職のデメリットや注意点をより分かりやすくまとめていきますので、じっくりと読んで今後の転職活動に役立ててください。
転職を知人の紹介で実現し後悔した体験談
私はある企業に勤務していましたが、転勤の内示がきっかけで、急遽転職をすることになりました。
転勤先となる場所はかなり遠く、自宅からは通勤が不可能でした。
その為、引越しをしなければならず、家庭の事情などもあり、転勤を断ることにしました。
私の事情を考慮してもらい、転勤をしなくても済むようになったのですが、今までいた部署では、すでに私がいない体制で動き始めていました。
その為、このまま居残っていても、肩身の狭い思いをしなければならないと思いました。
そこで、やはり転勤を断ってしまったからには、辞職するしかないと決断しました。
展開が急だったこともあり、すぐに転職先を見つけることはできませんでした。
ちょうど仕事が忙しい時期で、毎晩、帰りが遅くなっていました。
その為、思うように転職活動ができないと、知人に何となく話をしていました。
すると、数日後に知人から電話がかかってきました。
知人が勤務している関係部署で、求人を募集しているので受けてみないかという話でした。
求人を募集している部署では、知人の紹介する人ならば、前向きに検討したいとの話だったようです。
知人に紹介してもらった会社
私は今まで全く縁がなかった業界ですし、どちらかというと苦手な業界の職場でした。
さらにその仕事は正規雇用ではなく、非正規雇用での再就職でした。
そのため、給与はかなり下がりますし、賞与ももちろんありません。
収入面の不安もかなりありましたし、何しろ、その仕事をやっていけるのかという不安もありました。
そのため、一度はその仕事を断ったのですが、その後、再び電話が来て、どうしてもその仕事を受けてほしいと言われました。
そこで、私はとりあえず面接を受けてみることにしました。
会社の休日を利用して、面接が行われました。
そこには私一人しかいなかったので、結局、面接という形だけの顔合わせのような感じでした。
私は転職先が決まっていなかったこともあり、とりあえずどこかに就職しなければという気持ちも大きく、結局その仕事を受けることにしました。
あっという間に転職の内定をもらい、休み明けに会社の上司に退職願いを提出しました。
上司はかなり驚いていた様子でしたが、私が既に転職先が決まっているという話をしたら、仕方なく承諾してくれました。
その時の上司の様子を見て、多少肩身が狭くなっても、このまま会社に残ったほうが良かったかもしれないと少し後悔をしました。
転職先での新しい仕事が始まり、私は1から仕事を覚えていかなければなりませんでした。
時給は安かったのですが、その割にはかなり精神的負担の多い仕事内容でした。
非常に神経を使う仕事だったので、すぐにその仕事を辞めたいと思ってしまいました。
しかし、知人が紹介してくれた手前もあり、そのようなことは言い出せませんでした。
また、知人も自分の紹介だから、きちんと仕事をやってほしいと言ってきました。
この時、初めて、人の紹介で転職をしたことをとても後悔しました。
知人の紹介による転職の末路
職場の人たちはみな良い方たちでしたが、仕事の内容が私には全くと言っていいほど合いませんでした。
非正規雇用だったということもあり、雇用期間が終了した時点で、その仕事を辞めることにしました。
正規雇用になる話もあったのですが、これ以上この仕事は続けたくないと思いました。
そこで、自分で次の転職先を決め、その仕事を続けていくことを理由に、正規雇用の話はお断りしました。
正規雇用になると、かなり収入も良くなり、前職よりも良い給与でした。
しかし、職場の人は高い収入も、我慢料だと言っているほど、ストレスの多い仕事でした。
私は、多少収入が少なくなってもストレスの少ない、自分に合った仕事が良いと思いました。
そして、人間関係のしがらみがなく、自分で探した仕事に就く方が、その後も上手くいくことを知りました。
転職を知人の紹介で進める場合の注意点や正しい断り方
ここからは、体験談で語られている内容をもとにして、今回のテーマとなっている知人の紹介による転職での注意点と正しい断り方について詳しくまとめていきます。
まずは、紹介による転職でのデメリットや注意点からまとめていきたいと思います。
知人の紹介による転職の注意点
知人からの紹介は断りづらくなる
知人からの紹介での転職においてまず始めに注意したいポイントは、断りにくくなるという事です。
知人から求人を紹介してもらう場合には、体験談の様にその業界が苦手であるにも関わらず、その誘いを断りづらい状況になりやすくなります。
知人としても、もちろん好意からくる行動ですので、その気持ちを無下にはできないという気持ちが先行し、断りづらい状況になってしまいます。
更には、これも体験談で語られていますが、詳しい話を聞いてみると、決して条件が良いとは言えない状況というのも、良くある状況になります。
そしてこの問題の一番恐ろしいところは、体験談の様に決して自分がやっていける業界だとは思っていない状況においても、知人からの紹介という事で、なんだかんだ面接まで進んでしまうという事です。
どんな関係にしても、相手からの好意というものを考えると、断りづらい状況になりやすくなりますので、知人からの紹介での転職では是非気をつけたいポイントになります。
話が進むスピード
知人からの紹介による転職では、内定までのスピードが速いという特徴も挙げられます。
内定までのスピードが速いというのは、とても良い事のように感じられますが、乗り気でない転職においては、それが大きなデメリットとなってしまいます。
体験談の様に、転職に乗り気でない状況でも、一度面接を受ける事を承諾したばっかりに、面接が顔合わせの様な感じになり、内定を断る事ができない状況になってしまいます。
全く乗り気でない条件だとしても、知人の行動次第で話が異常に早く進んでしまう事もありますので、この部分に関しても充分注意しておきたいポイントになります。
働き始めてからのプレッシャー
知人からの紹介で転職したという事は、たいていの場合にはその部署全体に話が行きわたってしまっています。
そうなると、紹介した知人の面子も関わってくるため、中途半端な仕事をするわけにはいかないというプレッシャーが付いて回る事になります。
体験談の様に直接仕事のクオリティを求められる場合もそうですし、そういう状況が無かったとしても、周りの人からはそういう目で見られるため、常に仕事に対するプレッシャーを感じる状況になりやすくなります。
ただでさえ満足の行く転職だったかどうかも分からない状況で、紹介してくれた知人、また周りの人からこういった目で見られてしまう事は、非常に大きなプレッシャーとなってしまいます。
こういった余計なプレッシャーだけでも、体験談の様に転職を後悔する要因となりますので、転職前から冷静に考えておきたいポイントになります。
知人からの紹介による転職の断り方
これまで紹介したように、知人からの紹介による転職は、断りづらい状況や意図せぬ内定までのスピード、また過度なプレッシャーなど、簡単に受諾するのには大きすぎるデメリットも存在します。
かと言って、知人との関係性の問題もあり、簡単には断れない難しさも付いて回ります。
そこで最後に、知人からの転職の紹介の正しい断り方について詳しく紹介していきたいと思います。
まず一番大切なことは、単に知人の紹介に乗っかるだけの姿勢では無いという事を、知人にしっかりと伝える事が重要になってきます。
あやふやな立ち位置のままでいると、時間が経つほどに断りづらい状況が作り上げられてきます。
しかし、話が進んでしまったからと言って手遅れという事はありません。
どんなタイミングにせよ、断るという事に関して足かせとなるのは、知人の顔に泥を塗らないということですので、どんな状況になっても知人に自分の意志を伝えるという姿勢が大事になってきます。
内定直前の状況になったとしても、納得できない条件があるのならば、知人にその旨をしっかりと伝え、そのままでは転職できない事をちゃんと伝えるという姿勢が重要になります。
その気持ちを伝えさえすれば、相手も頭の片隅にその事が残るようになりますので、常に話し合う姿勢を持つ事ができる様になります。
自分で定めた条件は曲げる事は無いという事、そしてそのままの条件では転職は前向きに考えられない事を、どんなタイミングでも構いませんので、しっかりと伝える様にしなければなりません。
その事さえ伝えておけば、中途半端な紹介は知人にとってもデメリットとなるため、無理な話の進め方はしないようになってきます。
あくまで対等に話を勧められる環境を作っていく事ができますので、不満なポイントをしっかりと知人に伝える様にすることが重要になってきます。
知人からの紹介による転職に振り回されない様にする
これまで紹介したように、知人からの紹介による転職では、どうしても知人中心に話が進んでしまいやすくなります。
転職を成功させるためには、あなた自身が条件を冷静に吟味していく事が重要ですので、そんな状況はデメリットしか生まないような状況になってしまいます。
紹介してもらっているからと言って、知人中心に話が進んでしまわない様に、不満な点はしっかりと伝える様にし、通常の転職と同じように会社の事はしっかりと見極めて判断していくという姿勢を常に持つようにしてください。
知人からの紹介による転職は、転職の実現率は高める事ができますが、成功させるのは非常に難しいと言わざるを得ません。
あなた自身の大切な人生ですから、ちょっとした判断ミスで、大事な時間を無駄にすることの無いように、冷静な対応を心掛ける様にしてください。