試用期間の給与が低い理由とその他注意すべきポイントを体験談から学ぶ

試用期間に設定されている低い給与に戸惑ってはいないでしょうか?

 

試用期間というものを、仕事を覚えるまでの期間と捉えている人も多いようですが、本来は企業が労働者の適性を見極めるためのものです。

 

 

そういった理由が根本にある為、表面上の条件だけを見ると一件労働者に不利なっているように見える部分も多数あります。

 

しかし、本来採用までたどり着けない様な求人において、試用期間でアピールできるというメリットがあるのも事実です。

 

 

しかし、試用期間は一般的に最大半年まで適用する事ができ、給与が低いままだとあまりにも長い期間とも感じるかと思います。

 

こういった経緯を考えると、転職を決断する前に低い給与でどれぐらい働き続ける事ができるかを、冷静に判断していく事が重要だと言えます。

 

 

そこで今回は、試用期間に給与が低くなっている理由と、試用期間におけるその他の注意点に関して詳しく紹介していきたいと思います。

 

まずは試用期間の労働条件が原因で転職を後悔する事になった体験談をご覧いただきます。

 

 

この体験談を読んで頂くことで、まずは試用期間の注意点というものを、より理解していただきやすくなると思います。

 

試用期間の落とし穴という部分に着目して読んで頂ければ、その後に紹介する注意点もより分かりやすくなるかと思います。

試用期間の給与の低さに悩まされた体験談

給与面での悩み

転職の際に、業務内容、給与体系、福利厚生は申し分ないと思って応募し、採用になりました。

 

前職と同業種であったことから、歓迎気味に採用の返答をいただきました。

 

 

初めての転職であることから、前職と同業種を重視したという点もありますが、業務内容については申し分はありませんでした。

 

 

給料自体も求人票を見た限りでは希望に沿ったものと考えていましたが、月給に直すと前職よりやや高いですが、実は年俸制でボーナスがないことを見落としていました。

年俸制での転職のデメリット

考えていた給与との違い

やや高い月給ならば、ボーナスがなくても大丈夫ではと思っていましたが、実際、年収を12ヶ月で割っての支給になることから、額面が高い分、社会保険や所得税などの控除される金額も大きくなります。

 

 

なので、手取りから考えて、ボーナスが無いとなると年収は増えてはいませんでした。

 

サービス業で勤務時間も長く、そこまで給料が良い業界ではなかった為に、ボーナスがないというのは、とても心もとないものでした。

 

 

そして、試用期間が3ヶ月ということだったのですが、試用期間中の給与は、年俸制ながら計算自体が違うのか、とても低いものでした。

 

試用期間明けから年俸制としてスタートするので、社保加入なども使用期間後の加入になるため、それまで国保にも加入しなくてはなりませんでした。

 

 

ちなみに試用期間中は、時給で学生のアルバイト並みしか貰えませんでした。

 

県の最低賃金からプラス100円程度でしたので、そこから国保や年金、諸処支払いを含めると全く余裕はありませんでした。

 

 

先輩社員に聞いたところ、昇給などはほぼ見込めないとの話もありましたし、入社時に交わす契約書の給料は、何年かしてようやく気持ち上がる程度とのことだと知りました。

 

それでは生活はできるが余裕はないし、何年もそれが続くのは考えものです。

 

 

求人表に記載されている金額には、控除されるものは当然ながら確定金額の記載はありませんので、金額が少し高い程度では、年収が高くても手取りは然程増えてはいない事になります。

転職を後悔する事になった原因

給与面以外の問題

初めての転職であることから、年俸制の給与体系には馴染みもなく、控除される社会保険や税金の類いも計算していませんでした。

 

また試用期間中の条件面などもキチンと確認していなかった為に、入社したことを後悔することになってしまいました。

 

 

また、後悔した一因として人間関係も独特で、年俸制で長く勤務されている方達が多いので、馴染むのも大変でした。

 

社員よりもパートタイム、アルバイトの人が多い職場のため、新参者の社員にはみんな厳しかったです。

 

 

新卒の社員ではないので、出来て当たり前、前職も同業種であった事なども厳しくされる原因でした。

 

出来て当たり前!と思われがちですが、システムなど機材や会社のルールなどは当然違います。

 

 

同業種からの転職であっても、そのやり方に慣れなければならず、さらに人間関係にも馴染まなくてはならず、給与で生活に余裕がない、勤務時間も長いなど結果的に悪条件が多く感じました。

 

年代的には自分自身と同じ方もいましたが、仲良くなるのは難しかったです。

 

 

また、社員が少ないことから教育係をしてくれた方が休みの時は、アルバイトに仕事を教わらなくてはならない事もありました。

 

マニュアルや教育のバックアップ体制がないのも苦痛でした。

給与形態への不満から始まる転職の後悔

山積みの問題

マニュアルがないとか、求人表だけでは分かりにくい部分が多い、人材を育てようという教育体制もないなど、やり甲斐が感じにくい職場でした。

 

年俸制で昇給もないと考えると、余計にやり甲斐を見出す材料がありませんでした。

 

 

あまり求人を出さない会社なのか、採用になって勤務開始日に制服が用意されていなかった事なども不満でした。

 

というのも、接客業なので服装は重要だからです。会社として採用と返答したからには、雇う側もしっかり準備をしてくれなければ困ります。

 

 

雇用条件などについても、きちんと最初に説明をしてくれるべきだと思いました。

 

がっかりしたのは、試用期間が時給であること、社保加入でないこと、交通費などがないことなど、求人に記載がない事がたくさんあったことです。

 

 

試用期間中でも、社員と勤務時間は変わりませんので、社会保険に加入させないのは労働基準法などに違反するのではないかと思いますし、勤務時間が長いのに8時間以上を超えた部分では時給は発生していませんでした。

試用期間の給与が低い事のデメリット

給与問題でのストレス

給与面での不安があると、仕事を積極的に覚えて一生懸命働くという気持ちが削がれます。

 

試用期間などの給与体系などがきちんと求人表に明示されていれば、応募自体はしなかったと思います。

 

 

就業開始時間より2時間も早い出勤を言い渡された時も、早くに出勤した時間分は時給はもらえませんでした。

 

サービス残業のような時間が1日4時間近くあり、そこに時給の試用期間中に給与が発生しないのも納得ができるものではありません。

 

 

仕事がまだできない新参者であっても、サービス時間が多過ぎるのではないかと不満が大きくなってしまいます。

 

給与という対価があって、仕事に対するモチベーションもあるのだから、働く側が善処する必要性は感じません。

 

 

働くからには気持ちよく働きたい。最初に会社のことを知る事ができるのは求人表です。

 

求人表に記載もれ、不備があるのは絶対にいけないことだと思いました。

試用期間の給与が低い理由とデメリットや注意点

これまでに紹介した体験談によって、試用期間の給与が低い事のデメリットは何となく掴んで頂けたかと思います。

 

これ以降は、体験談をもとにして、試用期間の給与が低い理由と具体的なデメリットや試用期間の注意点を、より詳しくまとめていきたいと思います。

試用期間の給与が低い理由とデメリット

冒頭でも説明しましたが、試用期間というものはあくまで企業が労働者を見極める為に設けられた期間になります。

 

もちろん企業側にメリットがある期間だからと言って、労働者側に何の権利がない訳ではありません。

 

 

一般的に見て妥当な働き方をしているのならば、不当に解雇される事もありませんし、最低限の労働者の権利は守られます。

 

しかしやはりその仕組みの根本は企業が労働者を見極める事にありますので、一般的に社員よりも給与は低く設定されるようになります。

 

 

これにも具体的な定めがあり、体験談では最低賃金よりちょっと高いぐらいの給与で悩む姿が描かれていますが、法律的には最低賃金を上回っていれば、問題はありません。

 

つまり試用期間とは、最低限の賃金を払って、企業が労働者の適性を見極めるための期間という、基本的な考えがあるという事です。

 

 

この根本的な理論を理解していなければ、体験談の様にその給与の低さにばかり気持ちが向いてしまうようになってしまいます。

 

あくまで本採用を前提にしているものの、最低限の賃金で働かなければならない仕組みだという事を、まずはしっかりと理解しておくことが重要になってきます。

試用期間中の社会保険における注意点

現代社会の企業採用枠における試用期間では、社会保険未加入の条件もまだまだ多くあるようです。

 

原則として、3ヶ月程度の有期採用ならば、社会保険に加入する義務はありません。

 

 

しかし、試用期間とはあくまで本採用を前提としてものですので、基本的には社会保険に加入する義務があります。

 

体験談の様に試用期間だからと社会保険に加入しない企業も多いようですが、そのような条件の場合には、慎重に転職を考えていく必要があります。

 

 

もう一度言いますが、試用期間というものはあくまで本採用前提ですので、有期採用という枠組みには当てはまりません。

 

それでも試用期間だからという事で、社会保険に加入していないという事は、何かしら労働者に対する扱いの悪さを予見する事ができます。

 

 

転職する企業を見極める際には、こういった企業の違和感を見つけていく事は非常に重要ですので、このような労働形態をとっている会社は要注意だと言えます。

 

このような会社では、労働者に対して何かしらの不当な扱いを受ける可能性が大きくなりますので、本採用後にもまともな扱いを受けられるとは思えません。

 

 

このような条件を設定している会社は、冷静に見極めを行い、勢いで転職する事が無いように気を付けておかなければなりません。

試用期間の仕組みを理解した上での転職の重要性

これまで紹介したように、試用期間というものは労働者にとって不利な条件というものが多く存在します。

 

本採用前提だからと言って安心せずに、試用期間の詳しい労働条件や、社会保険など最低限のルールを守っているかの見極めをしっかりと行っていく必要があります。

 

 

試用期間というものを利用して、本気で労働者を見極めようとしている企業も、もちろんあるのですが、こういった仕組みを悪用して不当に働かせようとする企業もまだまだ多く存在します。

 

 

試用期間で不当な扱いを受け、本採用前に解雇という事をあえてやってくる企業も無いとは言えませんので、試用期間の仕組みやデメリット、注意点をしっかりと理解した上で行動する事が重要になってきます。

 

 

労働者側が試用期間の仕組みをしっかりと理解していれば、こういった企業優勢の試用期間の悪用は防ぐことが出来ますので、今回の内容はしっかりと頭に叩き込んでおくようにしてください。

 

 

本来の試用期間の意味合いで企業と合意できたならば、企業側にあなたのスキルをしっかりとアピールしていく事が可能になります。

 

企業側の都合に振り回される試用期間とならないように、今回紹介した内容を今後の転職活動に是非役立てていってください。

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