仕事でミスばかり起こしてしまい、何か病気なんじゃないか?と不安になってはいないでしょうか?
実際ADHDやうつ病など、仕事のミスと密接な関係にある病気も存在する為、あまりにもミスばかり引き起こしてしまう場合にはこれらの可能性も否定はできません。
それらの病気の可能性を考慮し、あなたの置かれた状況と照らし合わせながら、病気の可能性を考えていく事が重要です。
今回の記事では、このミスばかりしてしまう状況を引き起こしやすい病気について詳しく紹介していこうと思います。
それぞれの病気における特徴や、病気を踏まえた上で働いていくために重要なポイントなど、実体験をもとにしながら具体的に紹介していきます。
これから紹介する体験談もそうですが、これまで自覚が無かったとしても病気の可能性はありますので、是非じっくり読んで参考にして頂きたいと思います。
体験談の後には、病気の特徴や働く上での注意ポイントなどをより詳しくまとめていきますので、ぜひ最後までしっかりとお読みください。
病気だけに限定しないミスの原因や対処法については、仕事でミスばかりの記事にまとめてあります。
全体的なミスの原因の見直しを行いたい方は、ぜひこちらの記事もお読みください。
ADHDが原因でミスばかり起こしていた体験談
私はケーキ屋のアルバイトをしていました。
レジ打ちをしたり、ケーキをケースに補充するなど、忙しくない時は、問題なくこなすことができていました。
しかし、ある祝日のクリスマスだったのですが、私の働いてたケーキ屋は大きな駅の中にあったので、とても込み合っていました。
平日と比べ物にならないお客さんの列ができ、次々とやってくるお客さんに対して、接客やレジの対応をキチンと行う事ができず、レジの打ち間違いやケーキの入れ間違いをたくさんしてしまいました。
理解していたはずのケーキの補充時には、パニックになってしまい座りこんでしまいました。
周囲は忙しいのに仕事がうまくできず、上司から「もう、裏で休んでいい。それか、帰ってもいいよ」と言われました。
その時私は、何故私だけが他の人と同じように違和感なく働けないのか、というような疑問さえありませんでした。
ですが、そういったことが度重なって起こるようになり、病院へ受診しに行き検査を受けると、ADHDという大人の発達障害ということがわかり、合わせて自閉症だということもわかりました。
それがわかったのは30代前半で、とても戸惑いました。
大人の発達障害を疑ったきっかけ
また、その他の仕事でも、派遣の採用試験時に、簡単なテストに受かればオフィスでの仕事に就けるという状況がありました。
まず、簡単な講習を受けて、仕事の内容やマニュアルが書かれたものを、決められた時間内に覚えてから採用試験が始まりました。
参加したのは25名ほどでしたが、採用試験修了後すぐに発表が行われ、そのうち2名は「申し訳ないですが、お帰りください。」ということになりました。
そして私は、採用試験落ちの2名に入ってしまい、その他の方が同社の実地講習の部屋に移るさなか、一人で帰ることになりました。
とてもショックでした。覚える内容はそんなに複雑ではありませんでしたし、受かったと思っていました。
そのあたりから、私は大人の発達障害を疑いはじめました。
ADHDが判明してからの仕事
ADHDが判明してからは、仕事場では「理解しているようで、理解していないときがあるので、何度も質問をすることがある、または理解するまで時間がかかる」と仕事場の人にオープンにして働きはじめました。
今まで休憩時間でも他人の会話にうまく入れず、空気を読めないで空気感を乱してしまうことも多くありました。
ADHDという自覚がなかったときの私は、とてもおかしかったのだろうと今はわかります。
他の人の会話への入り方も、ADHDが判明したことで、なるべくそんなことが起こらないようにと、よく周りを観察するようになりました。
他の方の理解も得られ、逆に話しかけられることも多くなり、空気を乱しても理解して許してもらえる空気感ができました。
迷惑を掛けてないか上司の方に尋ねたりもしましたが、「分かってるからいいんだよ。大丈夫なんだよ。」と励まされました。
ADHDの方が働く上で重要だと感じる事
ADHDの方は、無理だと思ったこと、また基本仕事に対して無理をしないことが重要だと思います。
また、わからない気がすることに対して多少しつこくてもいいので、理解するまで聞くことも大事だと思います。
自分が理解した気になっている、と思い込んで他の人と何か空気感や動きが違う…と感じたら要注意です。
病気をオープンにしていない場合、ただの空気が読めない人、仕事が遅い人にか見られなくなります。
なので、私はクローズ(ADHDであることを隠して働くこと)よりオープンで働く事を強くお勧めします。
そして、受け入れてもらえる会社や上司を探すことが重要になってくると思います。
ADHDは働けない病気ではありませんし、一度理解できたら仕事はとても早くこなせたりする能力がある人も多いです。
また、仕事によっては他にない素晴らしい才能を開花させられる人も多いです。
デザイナーやミュージシャンにはADHDの人が多いと言われている所以です。
一般的には、やはり何よりも大切なのは、仕事でも家庭でも、周囲に理解者がいることだと思います。
ADHDは見た目だけではわからないことが多いので「この子はなにかおかしいな」程度にしか他の人の目に写りません。
まずなによりも、ADHDである自分自身を理解していくことも大切だと感じます。
仕事のミスに繋がる病気
この体験談では、ADHDという病気が原因となって仕事のミスが引き起こされていました。
これ以降は、仕事でミスばかりしてしまう状況に強い関わりのある病気の特徴や、正しい対処法について体験談の内容をもとに詳しくまとめていきたいと思います。
ADHDと仕事のミスの関係
まず、大人の発達障害と言われるADHDと、仕事のミスとの関係について紹介したいと思います。
引用:厚生労働省 発達障害ってどんな障害?
ADHD(注意欠陥多動性障害)
・不注意
・多動・多弁
・衝動的に行動する
様々な発達障害のタイプ
≪注意欠陥多動性障害(AD/HD)の人の例≫
大切な仕事の予定をよく忘れたり、大切な書類を置き忘れたりしてしまいます。周りの人にはあきれられ、「何回言っても忘れてしまう人」と言われてしまいます。
でも、気配り名人で、困っている人がいれば誰よりも早く気づいて手助けすることができます。
体験談の内容では、職場内での会話への入り方や、理解したつもりで行動すると周りとの動きが違う、という点で衝動的な行動が推察されます。
そして不注意という点が、今回一番の問題であるミスばかりの状況に繋がってきます。
引用にもあるように、仕事の予定を忘れたり、大切な書類を置き忘れたりというミスを連発する事から、体験談で言われている様に、何も分からない状態だと、周りから「この子は何かおかしいな」というイメージをもたれる様になります。
このように、仕事でミスばかり起こしてしまうという状況で考えるならば、一番関連が深い病気がADHDになります。
そしてADHDには3つのタイプがあり、大人のADHDとして一番多いのが、不注意優勢型と言われています。
引用:大人のADHDの症状や特徴―ADHDでも働ける? ADHDのタイプ
大人のADHDは不注意優勢型が多い
大人のADHDは不注意優勢型が多いです。その理由は諸説ありますが、主に下記の2点であると考えられます。
1.不注意優勢型は子どもの頃は問題視されにくく、大人になって受診する
ADHDは発達障害のため、ADHDの傾向は子どもの頃から持っています。しかし、幼少時から不注意優勢型のADHDである場合は、多動・衝動型のADHDより学校生活で問題視されにくく、学業や学校生活に支障がなければ「少しうっかりしているけれど普通の子」として見過ごされてしまうことが多いです。なかには保護者や先生、友人など周囲のサポートにより不注意症状がカバーされ、症状がみえにくくなっていることもあります。
しかしながら、社会に出ると自身でスケジュールやタスクを把握し、ミスなく確実に遂行する能力が求められます。そこでADHDの不注意症状が顕在化して「自分はADHDかもしれない」と受診するパターンが多いと考えられます。
2.大人になると多動の症状が減る
詳細な理由は明らかではないものの、子どもの頃は混合型であったが大人になるにつれて多動の症状が落ち着き、結果として不注意の症状が目立つことがあります。
厚生労働省の引用で紹介した、スケジュールを忘れる、書類を忘れるといったケアレスミスを引き起こしやすいのが、不注意優勢型になります。
大人になってから発覚するADHDには、こういったミスが多くなりますので、そういった部分も当てはまるか考えていく事が重要です。
ADHDの方が働く上で重要な事
このようにADHDには周りから理解が得られない状況もあり、働きづらさを感じる事も多くあります。
働きづらさはあなたのストレスにも直結してきますので、ADHDを踏まえた上での働き方を考えていく事が重要になります。
仕事の適性
しかし、体験談でも語られている通り、一度理解できた仕事は早くこなせるようになる事も多かったり、職種によっては素晴らしい才能を開花させることも多くあります。
つまり、一番重要な事は、あなたの特性に合った仕事や職場を選んでいくという事です。
一般的には一度に多くの作業を抱え込むことは苦手な傾向にありますが、何かひとつに集中すれば能力を発揮する傾向にあります。
さらに興味の度合いによっても集中力が大きく変わってきますので、この部分もミスの度合いに繋がってきます。
つまり、あなたの興味のある仕事、適性のある仕事を選んでいくという事が非常に重要になってきます。
大前提として、体験者が言っている通り、周りの理解が得られる職場、理解のある上司を探していく事が重要ですが、これらのような仕事の適性という部分も、もう一度見直してみると良いかもしれません。
オープン・クローズ
ADHDであるということを、オープンにするか、それともクローズしていくか?ということも、働きやすさに大きく関わってきます。
体験者が言うように、オープンにして周りの理解を得ながら働くという事は大きなメリットになります。
クローズしたまま働き続けると、どうしても周りから変わった目で見られるようになるため、それがあなたのストレスへと繋がっていきます。
ただでさえ仕事のミスに悩まされていると思いますので、更なるストレスは不安障害など二次障害の危険性を大きくしてしまいます。
何より過度なストレスは、働き続ける意欲の低下を招きますので、体験者の言うとおり、オープンにして理解のある職場で働くという事は大きなメリットになります。
うつ病と仕事のミスの関係
今回紹介した体験談はADHDが原因となったミスでしたが、ミスが増えてきたという状況ならば、うつ病も大きく関わってくる病気になります。
うつ病が原因となったミスの増加では、過度なストレスとミスの増加が特徴になります。
うつ病を発症してしまうと、不安感や恐怖心が強くなったり、眠れなくなったりすることがあるため、結果的に集中力の低下を引き起こします。
集中力が低下するという事は、仕事の質が下がる事に繋がり、その結果ミスも多くなってしまいます。
大きなストレスを抱えている、最近ミスが増えた、という状況ならば、うつ病の可能性も考える必要があります。
うつ病が疑われる場合の対処法
ミスばかりする状況と病気の関係
これまで紹介したように、仕事でミスばかり引き起こしてしまう状況には、病気が関係している事は否定はできません。
もちろんミスばかり起きてしまう原因は病気だけではありません。
病気以外の要因に関してもしっかりと見直して、ミスが増えてしまう原因が他にあれば、しっかりと対処していく事でミスは減らしていく事ができます。
ミスばかり起きてしまう状況を一度しっかりと把握していただき、その他の問題点が無いかどうかをしっかり判断しておくようにしてください。
病気が原因となっている場合には、そのまま無理して働き続けても改善は難しく、何かしらの対応が必要になります。
無理して働き続けると、あなた自身のストレスも大きくなってしまいますので、精神的なストレスから働けなくなるという状況になる前に、受診する事をおススメします。
今回の病気の特徴などをしっかりとあなた自身の状況と照らし合わせて、なるべく早めの対処が出来る様にしていってください。
病気が原因だとしても、あなたが活躍できる仕事は絶対に見つかります。