入社してから10年以上働き続けているベテランともなると、ミスを連発してしまうとこのように激しく落ち込んでしまうものです。
しかしここまで深刻に落ち込んでしまう必要などありません。
人間たるもの何年働こうが、立て続けにミスをしてしまうことはいたって普通のことです。
とはいっても、ミスが続いてしまった今の状況をそのままにはしておけません。
ミスばかりしてしまった原因をしっかり把握して、適切な対策を施していく必要があります。
ベテランにはベテランならではのミスの原因がありますので、この記事を読んでしっかり対策していけばミスを防いでいくことができるようになります。
今回の記事では実体験をベースとして、ベテランがミスを連発してしまう原因や対処法について、分かりやすく簡潔に解説していきます。
※今回の記事はあくまでベテランという状況に限定したミスの原因や対処法になります。
一般的なミスの原因についてもしっかり把握しておくとより効果的ですので、仕事でミスばかりするの記事も読んで、より多角的にミスの原因を把握しておくようにしてください。
仕事でミスばかりしてしまったベテラン介護士の体験談
- 居住地:兵庫県在住
- 年齢性別:62歳女性
- 経験年数:15年
- ペンネーム:ゆう子さん
これからするお話は、私が介護施設に入社後15年目にしてミスを連発してしまった時のエピソードです。
私は自分の仕事と勤務年数に誇りを感じており、常に自らの経験を活かしてアンテナを張り巡らせた状態で仕事に取り組んでいました。
しかし、ミスを連発してしまうことは誰にでもあり、ベテランだから大丈夫という保証がないことをこの時に深く実感いたしました。
ベテランのミスに悩んでいる人の役に立つよう、私の体験を発信していきたいと思います。
ベテランなのに職場で3回もミスが続く
最初のミスは利用者の方が服用される薬のセットです。
1回分に2日分の薬をセットしてしまい、それを気づかずに飲ませてしまいました。
続いて起こったミスは、デイサービスの洗濯物に関して。
日中デイサービスへ行かれる方の洗濯物を忘れており、当日着替えがないとプチパニックになり、急遽着替えを用意することになりました。
そして3回目は、コーヒーで服薬を促したことに関してご家族様からクレームが寄せられました。
ベテランとしてあるまじきチェック不足や対応
薬の確認や洗濯忘れ等、ベテランとして恥ずかしいような簡単なチェック漏れがあったことに関してはかなり情けない気持ちになりました。
やはり日頃の不規則な勤務に疲れていたのではと自分でも考えています。
コーヒーで服薬を促したのは、その利用者さんがコーヒーの好きな方だからという思い、先入観が強くなっていたのだと思います。
服薬とコーヒーの組み合わせが悪影響を及ぼす場合もあるため、きちんと看護師に確認するべきだったと反省しています。
上司として失敗は恥ずかしい
幸いにも周囲の同僚が励ましてくれ、「失敗はよくあること」と言ってくださったため、回復は早かったです。
しかし、以前に「ベテランだったらこんな初歩的なミスは起こしません。」と啖呵を切った新入社員からは冷たい目で見られるようになりました。
日頃の発言には気をつけようと心の底から思ったのと同時に、ミスを起こすことの辛さを新入社員の目線になって考えさせられた思いでした。
ベテランなのに仕事でミスが続いた原因
早出、日勤、夜勤と不規則な生活が続く勤務です。
15年という長い月日を乗り越えて心身が強くなった反面、長年の疲れも比例して溜まっていたのだと思います。
仕事をする上で知らないことが減ってきて、自分は何でも知っているといういい加減な過信もミスや確認漏れの原因になったのではと思います。
新人さんに偉そうな態度をとったり、自分でも新人に舐められないようにしないといけないと思うことが変にプレッシャーとなったのだと思います。
当時の対処法と言えばメモをとって原因を考える程度
ミスを連発した当時は、とにかくヒヤリハット書類の記入に追われていました。
それが終わればご家族への謝罪、上司との話し合いなど。
忙しく、ミスに対して適切な対処をしたという記憶がありません。
したことといえば、起こしたミスの内容とその時感じたことをメモ書き程度にノートに残し、後から見返して原因を考えるようにしたことぐらいです。
報告や確認を徹底する必要があった
自分が分からないことを再確認することが必要だったと思います。
利用者さんが服用している薬の成分や内容など。
看護師に全て任せてしまい、自分がきちんと理解していないまま携わっている業務も多いです。
きちんと分からないと感じたことをピックアップし、改めて分かる人に質問するなど、初心に返った対応をすれば良かったと思います。
周りのスタッフとの連携にも問題があった
新人さんへのコミュニケーション、人間関係の改善です。
日頃偉そうに接してしまっていた新人さんへもきちんと向き合い、自分から話しかけるなど。
人間関係のわだかまりから報連相不足になり、ミスに直結するのだと思います。
自分がミスを起こした時、もしくは誰かがミスを起こした時に素早い対応ができるよう、日頃から人間関係を円滑にしておくべきに思います。
改善し解決することで経験となり自信がつく
ベテランでミスを連発してしまった時。
自分が生きてきた何十年もの月日は無駄だったのではないかとネガティブな気持ちになる時もあります。
しかし、培ってきた経験やこれまで得た知識は決して無駄なものではありません。
ミスを起こした時こそ、これまでの経験や知識を伸ばす時だと考え、初心に戻った対応、行動をとることが必要になると思います。
ベテランがミスを連発してしまう原因
ここまで体験談を読んでいただいたことで、ベテランがミスをしてしまう可能性は充分大きなものだと認識していただけたと思います。
ここまでの内容をもとにして、ベテランがミスを連発してしまうその原因についてまとめていきたいと思います。
体力低下で長時間集中できない
15年以上の経験年数ともなると、若くても30代、すでに40代という方もいるかと思います。
20代の頃と比べるとどうしても体力は低下していますので、その分同じ作業量でも疲れを感じやすく、そして蓄積されやすくなるのです。
体力が万全でない状態では、仕事中の集中力にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
分かっているつもりでも、つい見逃してしまったり忘れてしまったりということも起こりやすくなってしまうのです。
その結果思わぬミスというものが生まれやすくなってしまいます。
仕事に慣れ確認を徹底しない傾向にある
15年以上も仕事を続けていると、ミスが起きやすいポイントと、そうでないポイントが自然に分かるようになります。
効率的と言えばそうなんですが、何年も働いているとそういった時こそミスが起きてしまうのです。
当たり前の確認を当たり前の様に続けるのは、決して簡単なことではありせん。
「大丈夫だろう」という経験からの判断が、時に邪魔してしまうということは把握しておく必要があります。
上司の責任やプレッシャー
ベテランともなると、後輩や部下に対して責任ある仕事を見せる必要があります。
「しっかりしなければ」
「手本になるような仕事を心掛けよう!」
上司としてとても素晴らしい姿勢ですが、その気持ちが自分へのプレッシャーとなってしまい、思わぬミスを引き起こすこともあります。
体験談でも語られていますが、毅然とした態度よりも、周囲のスタッフとのコミュニケーションを重視した方が、周りにもあなたにも良い影響をもたらしてくれます。
失敗した時の対策やミスを減らす方法を徹底解説
ベテランがミスを起こしてしまう原因が把握できたところで、次に必要なのは失敗に適切に対処することと、ミスを減らす対策を施すことです。
経験が長いほど、基本的な対策が有効になりますので、そういったポイントを簡単にまとめておきたいと思います。
ミスの内容をメモに書き出し原因を探る
新人だろうがベテランだろうが、ミスの内容をしっかりメモに書きだすことほど効果的なものはありません。
頭だけで考えてしまうと、どうしても主観的な考えになってしまい、効果的な対処法にはなりにくくなります。
ミスの内容だけでなく、その時に何を考えていたのか?まで書き起こしておくことで、時間が経っても有効な改善策が考えられるようになります。
書く習慣が少なくなった今、メモなど面倒くさいと感じる人多いと思いますが、とても有効な対策ですのでぜひ実践してください。
一人で作業せず周囲の人に確認する
ベテランになればなるほど、確認作業を怠りがちです。
どんな仕事でも基本的には一人で作業しない、周りの人にも確認してもらう。というのは常識です。
また、ベテランになるほど分からないことを確認するのは躊躇してしまいがちですが、周りの人とのコミュニケーションだと思って気軽に確認するようにした方がいいです。
結果的に周囲との人間関係の構築、チームワークの改善にもつながりますので、非常に効果が高い対策です。
周囲とのコミュニケーションを積極的に行う
先ほどの確認作業だけではなく、些細なことでもいいので周囲の仕事仲間とは積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。
後輩や部下からすると、ベテランとはただでさえ絡みづらい存在です。
ベテランであるあなた自身から積極的に交流することによって、チームワークが格段に良くなります。
体験談にも書かれていますが、コミュニケーションを向上させることによって、報連相不足によるミスを防ぎ、ミスが起こったとしてもお互いフォローしやすくなります。
チームワークを向上させることには何のデメリットもありませんので、必ず積極的に交流するようにしてください。
ベテランでも仕事でミスばかり起こしてしまう可能性はある
このようにベテランでもミスばかりしてしまう状況になってしまうのは、全然珍しいことではありません。
ただ、新人のミスとは違って、適切な対策を施せば防げるミスが多いのも事実です。
ミスが続いた時には、ベテランだからこそ大きく落ち込んでしまうと思いますが、今後を考えれば決して悪いことばかりではありません。
今ミスしたことによって、経験年数に関わらずミスが起こる危険性を認知することができましたし、今後はさらにレベルの高い仕事ができるようになるはずです。
人生という長い目で見れば、すごく良い経験となるはずです。
これからの人生もまだまだ長く続きますので、しっかり前向きになってより有意義な社会人人生を送ってください。