転職における会社選びでは、会社の方針や人間関係の問題、また自分のスキルに見合った会社かなど見極めるポイントが数多く存在します。
この会社選びを誤ってしまうと、転職自体を後悔する事に繋がり、結果再転職しなければならないという状況に陥る可能性がでてきます。
これは決して脅し文句ではなく、当サイトでは多くの転職における口コミを扱っていますが、本当に多くの人がこういった事で再転職を余儀なくされる状況に陥っています。
こういった事態を防いでいくには、まず最初に会社選びを慎重に行っていくということが必要になりますが、実際に転職活動を行っていると、焦りや疲れなどから、いつの間にか最初の目的を忘れてしまいがちになります。
そんな重要な会社選びの中でも、今回は会社の求める能力と自分が持っているスキルとのズレによる会社選びの失敗に絞って紹介していきたいと思います。
この問題に関しては、転職活動における注意点の中でも小さな問題かと感じるかもしれませんが、実際に多くの人が陥っている問題になります。
転職専門の大手サイトなどではあまり取り上げられない問題かもしれませんが、実際の体験談から導き出している重要な問題ですので、現場での転職活動に役立つ重要なポイントだと言えます。
転職活動を実際に行った上での反省ポイントですので、より転職者目線に立った身近に役立つポイントになっています。
是非じっくりと読んで頂き、今後の転職活動に役立てられるようにしてください。
冷静なスキル分析ができずに会社選びに失敗した体験談
私が転職を考えたのは、職場でのストレスから体調を崩しがちになり、不調が続いていたからです。
もっと気楽な立場で勤務することが出来たらと思い、三十年来の親友に相談してみました。
友人は主婦ですが、顔が広く友人も多いので、私が相談すると心当たりがあるようで、知り合いのKさんに話をしてみると言ってくれました。
話をして三ヶ月ぐらい経ったころでしょうか、友人がKさんから電話がきて私に合う職場がありそうだ、と連絡をくれました。
私は気分が高揚して時々テンションが高くなりながらも、はやる気持ちを抑えつつ日々の勤務をこなしておりました。
順調に進む転職活動
それから半月ぐらい経ち、仲立ちのKさんから直接私のもとへ連絡が来て、紹介の職場の名前と場所と管理職の方の名前と携帯番号を聞きました。
後は直接連絡を取り、職場見学をして具体的な事を決めて下さいと、たいそう親切に声を掛けて頂きましたので、管理職の方の携帯電話に連絡を取ってみました。
管理職の方は愛想の良い明るい声で、すぐにでもこちらへ来て欲しいと、かなり乗り気で誘って下さいました。
「あなた専用のパソコンもすぐ用意しますよ」とまで付け加えられました。
私の経歴や資格等は、友人を通じてKさんからその管理職の方に伝わっておりましたから、そのことを踏まえて、このようなお誘いがあったものと思われました。
そのように評価して頂けることは、職場で疲れ果てていた私にはカンフル剤のように効いたのです。
履歴書を用意し、面接と職場見学を兼ねて、紹介された職場へ向かいました。
管理職の方は、電話の印象通り明るいがっしりした体格の方でした。
仕事内容の説明を一通り聞き、やはり先方の希望はすぐにでも来てほしい、という事でした。
自分のデスクとなる予定の場所には、すでにデスクトップパソコンが設置されておりました。
スキル不足が原因で不安になる
電話でTさんが言ったことは間違いではありませんでした。
ただ、履歴書を手渡した時、違和感を感じました。
それは、履歴書はコピーしてすぐ返すので、原本はこちらで保管はしないと言われたことです。
さらに、社会保険には入れないアルバイトの形で雇うこと、時給は今のあなたの給料になるぐらい高くいたしますから、と付け加えられましたが、それを聞いてかなりがっかりしました。
また、これを見ておいてください、と手渡された仕事用の仕様書を自宅で確認した時も、自分が思っているより高度な内容で、はたしてこなしていけるのかと不安が残りました。
しかしこの時は、既に職場に月末を以って退職する事を伝えていました。
不安に思いながらも何とかなるのではと考えておりましたし、一方では挑戦してみたいという気概もありました。
しかしそのような気概は、最初の一ヶ月で粉々に砕かれました。
スキル不足が招いた結果
上司は、自分が望んでいたスキルに及ばない私のスキルを知り、段々失望していきました。
最初のうちは足りないスキルのレベルアップのため、他の職場の熟練の方を紹介して教えを乞うようにしてくれたり、いろいろな便宜をはかって下さいました。
しかし、思うようにレベルアップが進まないと、段々構わないようになり、私に対して不機嫌に対応するようになりました。
何しろ、その上司自身も大量の仕事を抱えていましたし、教える暇がなかったのだと思われます。
上司は、私が見たところ人にものを教えるのが苦手な方にも見えました。
上司の仕事はますます増え、私のスキルはなかなか上がらず、怒りっぽくなりました。
私は段々針のムシロに座っている想いがしました。ついにたまりかねた上司は時給を下げ、時間帯もフルタイムから5時間程度の勤務でと提案してきました。
私は、すぐ辞めることを告げました。
ここで、これ以上勤務しても、努力しようという気概が起きないというのが一番の理由でした。
多分、良き人間であるだろうその上司が、私に取った180度転換の態度は不信感を残したので、この人のために少しでも力になろうなどと努力する気持ちがなくなってしまいました。
私の転職は、こうして二ヶ月で終わりを告げました。
もし、他の方にアドバイスすることがあるとすれば、一つは転職したいと望む時は自分が理性より感情で動いている場合が多いということを認識してほしいということです。
感情に引きずられ、どこか冷静な判断が出来なくなっていないか、自分に問う必要があるということです。
もう一つは仕事内容の見極めです。
スキルアップが必要な職場を選ぶ場合には、特に研修や訓練の体制が十分で、時間に余裕を持ってスキルアップできる職場を選ぶことをお勧めします。
最後に、転職の場合は今の自分の過大評価は禁物です。
過去に出来た事が今出来るかどうかは未定です。
今の自分に何ができるかをしっかり見極めて職場を選ぶことが成功につながるのではないでしょうか。
転職で重要となる冷静なスキル分析
転職時の会社選びでは、自分自身のスキルを冷静に分析していくという事は非常に重要になります。
スキル分析が足りなければ、今回の体験談のように知人のツテを辿って転職する場合にも転職後に自分自身が苦労する事に繋がりますし、通常の転職活動においては会社が求める能力と自分のスキルをしっかりと見合わせなければ、採用される確率自体が低くなってしまいます。
会社が求める能力をしっかりと把握し、自分自身のスキルを冷静に判断して天秤にかけていく事で、採用される道というものが開けてきます。
では何故スキル分析が冷静に出来なくなるのかというと、これも体験談で語られている通り、転職活動中の精神状態に大きく関わってきます。
転職活動を続けていると、疲れや焦り、期待感からどうしても感情優先で行動してしまうようになります。
感情優先で行動し始めると、冷静な判断というものが出来なくなってくるため、スキル不足による転職なども起こりやすくなってきます。
つまり、冷静なスキル分析を行いながら転職活動を行っていくためには、感情よりも理性を優先して考えていく事が重要になります。
理性を優先して考えていくためには、あなた自身の転職条件というものをしっかりと設定していく事が重要になります。
転職で成し遂げたい希望条件をしっかりと設定し、その上であなた自身のスキル分析を合わせていく事で、転職活動の質は大きく上がってきます。
望むような仕事や求人があった場合には、自分のスキルとしっかりと照らし合わせて、その上でスキル不足であるならば、現職で働きながらスキルアップをしていく事が理想的になります。
無理をして転職後にスキルアップをしていくという道を選択してしまうと、体験談の様に会社もあなたも大きな損失を生むことに繋がりかねませんので、冷静な判断というものが非常に重要になってきます。
軽い気持ちで転職するのではなく、冷静にスキル分析を行い足りない部分をしっかりと積み重ねてから転職を行うように心がけてください。