転職活動を始めてみると、思っていたよりもすごく大変なことだと感じている人は少なくありません。
ただ会社を変えるというだけならば非常に簡単なことですが、大きな悩みを抱えずに長く働き続けられる会社を見つけるためには、それなりの努力と時間を要します。
そんな転職活動において、面接で即採用を貰えたり、短期間で採用を貰えたりするような状況もあるかと思います。
難航している転職活動において、その場で内定を貰えるというのは非常に喜ばしい事かの様に思えます。
しかし、このような状況において内定を獲得し、転職後に後悔する事になるという方が、実は非常に多くなっているようです。
転職活動は長期化する事も珍しくありませんので、誰しもがこういった落とし穴にはまってしまう可能性を秘めています。
状況が切迫するほど、追い詰められれば追い詰められるほど、こういった即採用というものには飛びつきたくなりますので、如何に冷静に判断していくかということが重要になってきます。
そこで今回は、即採用される状況に潜む危険性と、そうなった場合に具体的にやるべき事を紹介していきたいと思います。
まずは、超短期間で採用を貰えた方の体験談をご覧いただきます。
もちろんこの体験談でも、短期間での採用によって結果的に転職に失敗してしまうのですが、この内容をもとにしてその危険性を紹介していきたいと思います。
その後にこういった状況における対策や注意点などを紹介していきますが、実際の体験談をもとにしているため、今後のあなたの転職活動に今すぐ役立つ情報となっています。
大手転職サイトなどでは取り上げられない様な問題ですが、実際の転職活動においては非常に重要になるポイントです。
転職を成功させるためには、即採用に潜む落とし穴というものは必ず知っておくべき事になりますので、是非じっくりとご覧いただきたいと思います。
驚くような労働条件に後悔した転職失敗談
もう7年前になりますが、某航空会社の子会社の請負をしている会社に勤務していました。
やはり請負ということもあり、子会社側の若い連中に、差別的な言動や行動などを四六時中されていました。
その行動が嫌になり、転職を決意し業務の傍ら転職活動を行っていました。
そうしましたら、1社某航空会社の子会社で、正社員を募集している求人を発見しました。
ちょっと、業種が変わりますが、これで差別的なことから解放されると思い、直ぐに履歴書を書き応募しました。
その時の年齢が37歳で、運転系免許以外は何も資格もない状態ですし、航空業界も3年目ぐらいのキャリアです。
おそらくダメだろうと思っていたのですが、すぐに書類選考通過の連絡が入り、最短でいつ面接に来れるのかを聞かれました。
そのとき、普通は会社側がある程度のスパンを設けて設定してくるのに、「異様に早すぎないか」と疑問に思いました。
しかし、航空会社の子会社へ入れるかもしれないという気持ちに負けて、直ぐに有給申請して、面接に向かいました。
面接では、7:00~23:00の間で、実働8時間のシフト勤務ですと言われ、直ぐに給料提示もありました。
午後には筆記試験を行いましたが、SPIとかでなく、小学生レベルの問題でした。
そして、翌日に採用決定の電話が入りましたが、「すべてに関して早すぎないか」と、やはり疑問が過りました。
ただ、今までの差別行為から解放される気持ちと、これから「○○系の子会社で勤務している」といえるステータスが得られるという気持ちが先行して、即答で承諾し、勤務中の会社にも辞表を出しました。
通常は、書類選考→一次面接→筆記試験→最終面接で、期間的には2か月弱かかるはずです。
中には、面接回数3回という会社も存在します。しかしこの会社では、書類選考→面接→筆記試験のみで合格となりました。
実際の労働条件
そして、退職して新たな会社に勤め始めましたが、やはりという部分が有りました。
まず、拘束時間です。普通なら、シフト制で7:00~23:00のうち8時間勤務でしたら、例えば「7:00~16:00」や「14:00~23:00」が普通だと思います。
しかし、この会社では、違いました。
7:00~23:00のうち8時間勤務なのは確かなのですが、連続していなかったんです。
いわゆる、例で挙げると「7:00~10:00、15:00~18:00、21:00~23:00」という勤務構成だったのです。
勿論空白の時間は休憩時間なので、近ければ家に帰っても良いですよ、という感覚でした。
ただ、私は家まで電車で2時間なので、帰ることはできません。
さすがに、このようなシフトが存在するとは想像もしておらず、面接でも思い浮かびませんでした。
ちなみに、空白の時間についての給料は、もちろん発生しません。
そして、次にパワハラの横行です。
まぁ、ほんとに新人に仕事を押し付けて、既存社員は何もしないで遊んでいるというような状況でした。
そして、これは完全な私のミスなのですが、この会社は入社直前に航空会社が株式数パーセントを譲渡したため、子会社ではなく、請負会社になっていた模様です。
同期で入社した数名も同じことを言っており、このまま続けられるのかと話し合いました。
そして、7名の同期のうち私も含め5名は、「このまま勤務していたら、死んでしまう」という決断で一致して、退職を決意する感じになりました。
私は、仕事が終わって終電で帰って、帰宅が1:30で、次の日は始発で行かなければ間に合わないので、4:30には家を出なければならないというタイムスケジュールになってました。
そうすると、帰宅後にフロなど入っても、毎日の睡眠時間が2時間ほどしかありませんでした。
業務は、立ちっぱなしですので、おそらく1か月も持たないと思い、転職を決意しました。
そして上司に、皆で退職する旨を伝えに行ったら、他の社員の前で罵倒を繰り返されました。
まぁ、辞めるつもりの会社ですし、何かあれば労基に行けばいいやという感覚で聞いて、そのままやり過ごして退職しました。
転職活動で大事な事
その後の、転職活動はほんとに大変でしたが、この時の転職活動で学んだことがあります。
1、ブランドのみで企業を決めてはいけない
2、短期間採用は要注意
3、理想ばかりに釣られず、ネットを使って企業の情報を入手すべき
4、現場が見られる環境であれば、何回か現場を見に行ってみる
転職や就職は、恋愛と同じように難しいものだと、つくづく感じた転職でした。
即採用される状況での注意点
体験談を読んで頂いて、即採用される状況に危険が潜んでいるという事は理解して頂けたかと思います。
ここからはこの体験談をもとにして、即採用される状況において警戒すべきポイントについて詳しく紹介していきたいと思います。
慢性的な人手不足
即採用される状況でまず最初に警戒すべき事は、常に人手不足の会社ではないか?という事です。
つまり何かしら人が辞めていきやすい問題があり、会社としてはすぐにでも人手を確保したい状況ということになります。
体験談で言うならば、変則的なシフトと既存社員による仕事の押しつけというパワハラ行為になります。
こういった体制自体に問題がある会社では、辞めていく問題自体を改善せずに、辞めた分人員補充する事によって仕事を回していくという会社が多くなっています。
何故こういった体制を野放しにしていくのか疑問に感じてしまいますが、その体制が当たり前となっている会社では、こういった事がおかしいという事さえも感じていない可能性が高くなります。
体験談のように異様に採用までの時間が短い、もしくはその場で即採用されるような会社の場合には、一度冷静に会社を選んでいく事が重要になります。
社員の扱い方
今回の体験談の様に採用までの時間が短かったり、その場で即採用をされるような状況では、転職者が会社を選定する時間も非常に少なくなります。
つまり会社の体制の事しか考えずに、社員のことなどは後回しにするような会社が多いという事に繋がります。
転職とは本来、会社と転職者双方の意向が噛み合って始めて成り立つものです。
そんな転職において、会社の都合でしか物事を勧められない様な会社では、転職してからもきっとロクでもない扱いを受ける事になってしまいます。
体験談の様に、従業員の都合などお構いなしのシフトに、仕事の押しつけなど、散々な扱いをされる可能性が高いと言えます。
社員の働きやすさを追求する事で効率を上げるという発想自体が無い状況です。
どんなにきつくても仕事は仕事。簡単に辞めるなんて社会人失格。など現代にそぐわない考え方で、責任をすべて従業員に押し付けようと会社が多いため、注意が必要です。
考える時間が少ない時ほど重要な情報収集
こういったデメリットのある即採用されるような状況においては、考える時間が少ないからこそ情報収集というものが重要になってきます。
ある程度時間に余裕があれば、面接などで得た会社の情報をじっくりと整理し、問題のない会社か判断していく事ができますが、時間が少なければ情報を整理する暇さえもありません。
自分の持っている情報を整理している暇がない時にこそ、体験者も言っているようにネットでの情報収集が役立つようになります。
ネット上の情報ですからすべてを信用できるという訳ではありませんが、大きな問題がないかどうかを知るだけでも大きな意味を持ちます。
体験談の様な驚くようなシフトになっているような状況の場合には、そのほとんどがネットで情報を得られる事が多くなります。
さらにこれも体験者が言っている通り、会社見学をさせて貰う事も重要です。
できれば面接の時に見学させてもらうのが一番ですが、後日でもいいので迷っている旨を伝え、会社見学を申し出てみる事も一つの手です。
特別な理由もなくこれを断るような会社は論外ですし、とりあえずお願いしてみる事に大きな意味があります。
会社見学では実際に働いている人の表情や声のかけ合い方に目を向け、どこかに違和感が無いかを見つける様にすることが重要です。
いつもと違う事をしようとすればするほど違和感は見つかりやすくなりますので、見学にくるからと準備万端で待ち受けられていても、普段問題のあるような会社ならば何かしら違和感を感じる事ができます。
何より実際に働くことになる会社の風景を実際に見るという事は、会社選びをするという点においては非常に大きな情報になるため、出来る限り会社見学は行うようにしてください。
転職では、どんな状況においても会社を選ぶという事は重要ですが、即採用という状況においてはより冷静に会社選びを行うようにしてください。