会社への不満や物足りなさを解消するために、転職という道を決意したものの、転職先の決め方がいまいちよく分からず、転職活動が先に進まないと悩んではいないでしょうか?
そもそもやりたい仕事さえも分からない状況の人も多く、仕事を選ぶことは出来ても、企業の決め方が分からないといった人も多くなっているようです。
また、転職先となる候補はたくさん上がるものの、それ以降どうやて本命を選んでいくべきかという点で悩む人もまた多くなっています。
実はこのように転職先の決め方が分からない状況というのは、条件設定や市場価値の診断など、転職において必ずやるべき行動が抜け落ちてしまっていることから起こる状況が多くなっています。
中にはあまり深く考えずに転職してしまう方もいますが、本当に満足のいく会社を見つけるという点では、この行動は非常にリスクが大きくなってしまいます。
そこで今回の記事では、転職する際の仕事や企業の選び方について、詳しく紹介していきたいと思います。
まずはあまり深く考えずに転職先を決めて失敗した体験談を紹介させて頂きたいと思います。
この体験談を読んで頂くことで、転職先の正しい決め方を理解しないままで転職する事のリスクをまず理解して頂きます。
正しい転職先の決め方が分からないまま転職活動を続けていると、妥協した企業へ転職しまうなど、どこかで必ず妥協が生まれてしまいます。
そのような転職では成功率は大きく下がってしまいますので、体験談をしっかり読んで頂いて、まずはこのリスクをしっかりと把握しておくようにしてください。
転職先の決め方を誤って失敗した体験談
今まで何度かの転職を経験してきました。
雇用期間が限定される仕事をしていて、転職しなければいけない場合もありましたし、自分のやりたい仕事の為や、現状よりも良い仕事に就きたいと感じて転職した事もありました。
何度かの転職を経験して分かったのは、必ずしも転職が良いきっかけにはならないという事です。特に自主退職の場合には色々見極めが必要だと思いました。
私が、一番見極めが甘かったと感じたのは、職場環境と仕事の体制をよく理解しないまま転職してしまった事です。
良い面ばかりを考えてしまい、悪い面を考えずにいると物事は上手く進まないのだと思います。
転職を考えた理由
私は、当時とある会社に勤めていましたが、そこは自宅から片道が30分以上かかる場所でした。
仕事は電話応対が主で、時々クレームなどもありますが、仕事のマニュアルや研修はあるし、苦ではありませんでした。
何よりも同じ部署の人達は上司も含めて親切でフレンドリーだったし、仕事しやすい環境だったのは確かです。
ただ通勤距離が長いのと、毎日毎日同じことを繰り返すので、やり甲斐という点では劣る部分でもあり、色々考えていました。
このまま仕事を続けていくかを考えているタイミングで、自宅近所の公共の施設から人手を探しているという連絡がありました。
その施設は、自宅から徒歩5分以内という他にはないくらいの近さで、給料も少し高くなるものでした。
仕事内容は、事務や地区行事の企画などの仕事でした。毎日の通勤に疲れていたタイミングだったので、プラス面だけを見てその仕事を受けることにしました。
転職してからの後悔
実際に新しい職場に入ると、研修らしい研修は無く「仕事は見て覚えて、わからなければ聞く、こっちから指図はしないので、自分の仕事は自分でやる。でもきちんと報告はすること」というスタンスでした。
今までにやっていた仕事は研修があったり、先輩が基本的な事は教えてから仕事を任されるというスタンスだったのですごく戸惑いました。
しかも事務仕事だけではなく、掃除などの雑務や学校主催の地域行事にも参加するので、時間が足りませんでした。
新人なので任されている仕事量が少ないとは言え、限られた時間の中で自分の仕事を終わらせる技量がありませんでした。
残業しても追いつかず、時には自宅へ持ち帰る事もありました。
前職よりも給料が良くなったとは言え、月々に支払われる金額は決まっています。残業代が支払われる事は無く、ただノルマをこなすだけでした。
前職の時に滅多に残業はありませんでしたが、少しでも残業になると残業代は支払われていたので、今の状況にモヤモヤを感じていましたが、上司も同僚も同じ環境下で、それが当たり前になっていたので意見を言えるはずもありませんでした。
そして前職の時は週1が定休日でした。繁忙期でさえ週1は休めていましたが、転職してから休めない週もあるような状況になりました。
地区行事は土日に行われる事が多く、当日は半日とかでも出勤しなければいけません。
その日に至るまでの日も準備が忙しいため休むことが出来ません。一応代休を取るようにはなっていましたが、行事が重なると休日も取れず、10日連続勤務になる事もありました。
そして私の中では「報連相」に苦労しました。
他の人の仕事の邪魔をしたら悪いという思いと、何を話して良いかわからないという部分で、なかなか上司や仲間に意見や相談が出来ず、内に秘めてしまっていました。
そして「こいつは報連相がきちんと出来ない」と思われ始め、どんどん言いにくくなっていきました。
元々コミュニケーションが得意という訳では無かったので、どんどん孤立していき仕事がやりにくくなりました。
連勤やサービス残業の疲れも出てきて、色々悩んでいるうちに精神的負担を抱えるようになって、通院するまでの状態になってしまいました。
結局、心療内科の通院もあり仕事も出来る状態じゃなくなったので退職することになりました。
転職先の決め方を間違えた原因
幸い、転職前の最初の会社が出戻りを許容してくれる会社だったので、今は元の会社に戻り、またやりやすい環境で働いています。
通勤距離は相変わらず長いですが、天秤に掛けても働き続けられているので良かったと思っています。
一番後悔したのは、新職場の情報を殆ど知らないまま転職をした事です。
職場環境は面接だけでは分からないし、上辺だけを見るとこういう状況になるんだと痛感しました。
転職を決める前に、その仕事の経験者の話を聞いたり、見学をさせて貰うなどの対策をしていたら違ったのかとも思います。
私自身が今出戻りで働いているのも、職場環境をよく分かっていたからです。
仕事内容だけではなく、会社全体を通して理解できていれば、同じ過ちを繰り返さずに済むと思います。事前調査は大切だと自分の経験から感じています。
正しい転職先の決め方
体験談を読んで頂ければ分かるように、転職先の決め方と言うのは非常に重要です。
それにも関わらず、安易に転職先を決める状況というのが非常に多くなっており、それが原因となって体験談の様に転職に失敗する人が多くなっています。
ここからは転職先の正しい決め方に繋がる重要ポイントを、体験談をもとにしてより詳しくまとめていきたいと思います。
仕事選びに関わるスキルの見直し
やりたい仕事が分からないという方は、自分自身のスキルや経験をしっかりと見直していく事が重要になってきます。
これまでのスキルや経験を見直すだけでなく、そのスキルの中でどれをこの先も伸ばしていきたいのか?という事をまずは考えてみてください。
スキルとは転職市場で言うあなたの強みですので、そこさえ意識していれば転職を繰り返すたびにスキルアップが出来る様になります。
ちょっと極端ですが、転職を繰り返してもその分スキルを積み重ねる事ができれば、転職回数はデメリットにはなりません。
特に年齢を重ねるほど具体的なスキルというものが求められやすくなりますので、やりたい仕事が分からないという方は是非あなたのスキルをまず考えてみてください。
これだけは誰にも負けないと言う様なスキルでなくとも、出来る事、やった事がある事ぐらいでも構いません。
大切なのはそのスキルを転職によって成長させるという意識ですので、その意識さえあれば企業へのアピールにも大きく影響してきます。
転職というと、どうしても給与アップや労働環境の改善できる職場という事ばかりに目が行ってしまいますが、一番重要なのはスキルを伸ばせる職場で働くことになります。
やりたい仕事が分からないという方は、是非スキルの見直しを行うようにしてください。
企業選びに関わる労働条件の設定
転職先の決め方が分からなくなる原因として一番重要なのが、労働条件の設定になります。
転職を決意したからには何かしらの悩みがあると思いますが、その悩みに固執し過ぎてそれ以外の条件が見えなくなっている人が非常に多くなっています。
まずは転職活動を始める前に、しっかりと考えておくべき労働条件の方から紹介していきたいと思います。
給与
給与に関しては、求人票などで誰しもが確認してはいると思いますが、しっかり把握できている人というのは意外に少なくなっています。
まず基本給だけでなく、各種手当の有無や手当込の給与ではないか?という部分もしっかりと確認しなければなりません。
また、数年先まで見据えて昇給の仕組みなどもしっかりと把握しておかなければ、求人票の給与が仮に良かったとしても、昇給が満足いくものでは無く、数年後には満足いく給与ではなくなっている可能性も無いとは言えません。
残業代なども非常に重要で、体験談でも基本給は上がっているものの、残業代が貰えない事で結果的に給与面に不満を感じる事になっています。
あなた自身がどれぐらいの残業ならば許容する事ができて、その残業も含めてどれぐらいの給与を望んでいるのか?という部分にまで踏み込んで考えていく事が重要になってきます。
勤務地
体験談の中でも、そもそも30分かけて通勤するという事に不満を感じて転職を決意する事になっています。
現在30分以上かけて通勤している方も多いと思いますが、その時間というのは決して馬鹿には出来ません。
往復1時間で週に5時間、1ヶ月で換算すると30時間もの時間をここで使ってしまっているという事になります。
そして重要なのは、それだけの時間をかけて通勤する魅力がある職場なのか?ということです。
体験談の様に職場の人間関係にも満足しており、仕事内容にも大きな不満は無い中でも、ただ何となく通勤時間がもったいないという理由で転職をすることになっています。
そして転職後に元の職場の魅力を再認識する事で、再び通勤に30分かけてでも、元の職場で働くことを選択してます。
つまり転職を考える時には、職場の不満ばかりを考えるのではなく、今の職場のメリットもしっかりと認識してから決意する事が重要だという事です。
勤務地を決める場合には、理想的な通勤時間を設定し、それ以上に魅力的な条件がある会社ならば、通勤時間が多少長くなる事も受け入れると言う様な、バランスを考えた設定をしていく事が重要になってきます。
休日数
長く働き続けられる職場を見つけるためには、休日数というものは非常に重要になってきます。
若いうちならば、休日数が少なくてもスキルを積んでいくという考えもあるかもしれませんが、年齢を重ねたり家庭を持つようになると、そう言える状況で無くなる可能性が高くなります。
体験談でも、求人票だけでは予測する事ができなかった休日数に悩まされることになっています。
仮に代休を取得できる環境だったとしても、知らずに入社してしまっては結局後悔へと繋がってしまいます。
休日体制については、事前にしっかりと希望条件を設定し、なるべく詳しい実情まで把握しておくことが重要になります。
労働時間
働き始めて労働時間の長さで後悔してしまうという人も多くなっています。
先ほどの休日数と考え方は似ており、スキルを積み重ねるための転職の場合には、労働時間が長くてもスキルが積み重なるのならば、それでも大丈夫です。
しかし、そういう状況でないのならば、事前に出来るだけ詳しく把握しておかなければ、転職後の後悔へと繋がってしまいます。
スキルの積み重ねを求めた転職なのか?プライベートの時間を確保するための転職なのか?こういった事でどれぐらいの労働時間まで許容できるのかというのは変わってきます。
ベンチャーや小さい企業でゼネラリストとしてのスキルを磨きたい場合などは、特に労働時間などは不安定なものになります。
どのような働き方を望んでいるのか?どれぐらいの会社規模を望んでいるのか?という部分で大きく変わってきますので、それらも加味した上でしっかりと希望する労働時間を設定していく必要があります。
福利厚生
福利厚生は、労働者に対する給与以外での報酬ですので、こちらも企業選びには密接な関係になります。
転職によって給与や労働時間に変化が無くても、福利厚生が充実していれば、それだけで転職する理由としては充分になります。
転職する際にはどうしても給与や会社規模にばかり目が行ってしまいがちですが、福利厚生も働く上では非常に重要な項目になりますので、事前にしっかりと確認しておくことが重要になってきます。
労働条件の設定と企業選び
これらのような労働条件をしっかりと設定していく事で、転職すべき企業と言うものもだいぶ絞られてくるはずです。
これまでに紹介した給与・勤務地・休日数・労働時間・福利厚生などに不満を抱えて転職する人は多いですが、転職する際に現職でのこれらのメリットをしっかり考えられている人は非常に少なくなっています。
悩みを抱えた部分だけでなく、現職でのメリットもしっかりと理解した上で、次に求める労働条件をしっかりと設定していく事が重要になります。
極端に言えば、これらの条件設定が出来ていなかった為に、体験談では出戻り転職する事になっていると言えます。
転職にはリスクが常について回ってくるため、環境の変化により何かしらのデメリットが生じる事も考えておかなければなりません。
今の不満を改善する事だけでなく、今満足している事が失われるかもしれないという意識も忘れず、慎重に転職先を決めていく事が重要になってきます。
不満が日に日に大きくなり、それに伴い早く辞めたいという気持ちも大きくなってくると、このように冷静な労働条件の設定が出来なくなってしまいます。
早く辞めたいという考えには、冷静な労働条件の設定だけでなく、他にも注意すべきポイントが生まれやすくなりますので、早く辞めたいと考える時のリスクについても読んで頂き、リスクについてしっかり把握しておくようにしてください。
「早く辞めたい!」「いち早く退職したい!」仕事で悩みを抱え、日々このように考えている人は少なくないと思います。早く辞めたいのに我慢を続けるのは危険しかし早く辞めたいと思っても行動に移せない、また早く退職しようと思って[…]
また、これらの労働条件の設定に関しては、欲をかいてしまえばキリが無くなってしまいます。
絶対に譲れない条件はしっかりと設定し、それ以外の条件に関しては最低条件をしっかりと設定して行く事が重要になります。
「欲を言えばこれも」という条件が増えていくほど、それに見合う転職候補はどんどん少なくなってしまいますので、こだわる条件と譲歩できる条件というのはしっかりと設定していくようにしてください。
職場環境を知る努力
給与などの労働条件がどんなに魅力的だとしても、職場の環境と言うものは転職の成功を左右する重要なものになります。
体験談の様にいくら給与が上がったとしても、職場の環境が合わなければ転職は失敗に終わってしまいます。
仕事の詳しい内容を把握するのはもちろんのこと、職場の人との関わり方など、職場の環境を把握する事が重要になってきます。
特に人間関係などは、人によって向き不向きが大きく分かれてくるため、実際にその職場を見学して、どのように仕事を進めているのかを見てみる事は非常に重要になります。
パワハラをするような人がいないか?苦手と感じる様な人がいないか?事前にこういった事を、自分の目で見てリスクを推測する事は非常に重要です。
見学に来ている中にいつも通りにパワハラをする人はいないでしょうが、それ以外の働く人の表情を見て、違和感を探すだけでも充分大きな情報になります。
働く上で職場環境と言うものは非常に重要な要素ですので、必ず事前に直に職場の雰囲気を知るようにしてください。
転職先の正しい決め方
これまで紹介した内容をしっかりと見直していく事で、やりたい仕事、選ぶべき企業というものはだいぶ見えてくるようになるはずです。
ここで一度これまでの内容を整理しておきたいと思います。
転職先を決めていくためには、
・自分が今持っているスキル、また今後も伸ばしていきたいスキルをもとにして仕事を選んでいく
・給与、勤務地、休日数、労働条件、福利厚生などに関して希望する労働条件をしっかり設定する事で企業を選別する
・スキルを伸ばせる仕事、希望する労働条件に見合う企業だけでなく、職場環境についてもしっかり見極める
これらの事をしっかりと整理する事で、今まで何となく眺めていた求人情報も、全く違うものに見えてくると思います。
やりたい仕事が分からない、転職先の決め方が分からないという方は、必ずこれらの項目については、しっかりと把握しておくようにしてください。
複数内定に迷う場合
次に、複数の内定に迷った状況での転職先の決め方について紹介していきたいと思います。
転職活動中には、通常同時にいくつかの企業に応募する事になりますが、本命の企業からの返事を待っている間に、他社の内定が出てしまい迷う状況は良くあることです。
このような場合には、一度冷静になって先ほど紹介した労働条件全てに関して、出来れば5段階評価をして比較してみる事をおススメします。
2つの企業を並べて比較する事で、意外と本命とそれほどの差が無いと感じる事も多いですし、本命との差を大きく感じる場合もあります。
つまり、頭で何となく解決しようとする場合に比べて、よりはっきりと答えを出しやすくなります。
また、内定を貰えた時点で、詳しい労働条件をしっかりと確認しておいてください。
面接までに聞いていた条件と食い違いがある場合も多いですので、しっかりと確認した上で比較していく事が重要です。
また、先ほど紹介した職場環境に関してもしっかりと比較する事が重要です。
内定を貰った時点で職場見学を行っていない場合には、ネット上の口コミ情報だけでも良いので確認するようにしてください。
ネット上の情報だけを信じる事にもリスクがありますが、大きな問題が何件も書かれている場合には、積極的に転職する企業とは言えなくなります。
内定後に迷う状況も読んで頂き、内定後の正しい企業選びに関しても、しっかりと把握しておくようにしてください。
正しい転職先の決め方とは希望する条件の設定
ここまで転職先の正しい決め方を紹介してきましたが、一言で簡単に言うと、希望する条件をしっかり設定していく事で、自ずと転職先は決められるようになります。
条件設定を疎かにしたり、自分のスキルを見直していない事で、転職先をどうやって選べばいいのかが分からなくなってしまいます。
企業にとっても労働者を採用するという事は、その人の人生を背負うつもりで、かつ企業の将来を確かなものにするために、必死で動いているという事を忘れないでください。
今回紹介した内容を理解して頂けたのならば、何となく転職先を決める事のリスクの大きさも理解して頂けたかと思います。
どうやって転職先を決めていけばいいのか分からない!と焦る必要はありません。
あなたの望む条件をひとつひとつしっかりと考え直して、転職によって何を望んでいるのか?せっかくの機会ですからしっかりと見直してみる様にしてください。