デイケアでの看護師の仕事について
- 要介護度が低いためケアが少ない
- レクリエーションなど楽しく仕事ができる
こういったイメージを持って働き始める人は少なくありません。
しかしデイケアの看護師は、ただ負担が少なく楽しい仕事ばかりではありません。
- 看護師としての役割があいまいで必要性に疑問を感じる
- 業務の範囲が広くて忙しすぎる
- 医療行為が少なく仕事がつまらない
このような仕事に対する不満は、デイケア看護師が良く抱えるものです。
またデイケアにおける人間関係においても、
- いじめなど人間関係に悩んでいる
- 介護士など他職種との関係性が難しい
限られたスタッフ間での問題に悩む人は少なくありません。
今回の記事ではそんなデイケアでの看護師の仕事について、どんな悩みを抱える人が多いのか?
実際の口コミ体験談をもとにして解説していきたいと思います。
ただ仕事の実情や悩みを解説するだけではなく、
- デイケア看護師で楽しいと感じること
- デイケア看護師で使えないと思われる人の特徴
- デイケア看護師の役職や実際の給料
など、実際に働いてみなければ実感できないような内容や、踏み込んだ内容まで解説していきます。
- 今現在デイケア看護師で悩みを抱えている人
- これからデイケアで働きたい人
今後あなたの性格に合った最適な職場を見つけるためにはどう行動すべきなのか?
正しい道の選び方を簡潔に解説していきます。
デイケアの看護師を辞めたいと悩んだ体験談
私がデイケアで働いていた頃、ケア内容が簡素でいずれ病棟に行った時に手技ができなくて経験を生かせないのではないかと不安になっていました。
また、看護師の配置が1~2人で回していることが多く、休みが取りづらくいためプライベートとの両立も厳しく急なお休みも取りづらかったです。
今現在デイケアの看護師で悩んでいる人や今後デイケアで働きたい人に向けて、私の経験をお話ししたいと思います。
- 居住地:千葉県在住
- 年齢性別:25歳女性
- ペンネーム:りんちゃん
- 看護師経験年数:3年目
デイケアで働くことになったきっかけ
もともと特別養護老人ホームなどお年寄りと関わる分野で働いており、同じ施設内にあるデイケアでの経験を積みたくて異動したのがきっかけでした。
長期入所の方たちよりも自立している人が多いため、ゆっくり関わる時間が持てるという印象を持っていました。
また、季節の行事も利用者様と共に楽しめると思い、とても楽しみにしていました。
デイケア看護師の実際の仕事内容や役割
朝は送迎されてきた利用者様をお迎えすることから始まります。
まず全員のバイタルサインを測定して記録をし、その日の健康状態を把握して入浴やレクリエーションができる状態かを判断します。
その後全員の連絡ノートを記載し、家族からのコメントがあればお返事をします。
必要があれば入浴介助や食事介助にも入りますし、内服管理をしていくことも重要な役割です。
デイケア看護師の人間関係
デイケアの人間関係はとてもいいです。私が働いていた施設の人間関係はとても良好でした。
介護士も看護師も分け隔てなくなんでも話せる環境で、利用者様を主体としてみんなで和気あいあいと仕事ができる環境です。
仕事の後にみんなでご飯を食べたりするほど仲が良かったです。
特にデイケアはゆったりとした環境のため、スタッフの気持ちもゆったりしている人が多かったです。
デイケア看護師の手取りの給料や年収
日勤のみの就労形態で、総支給額25~27万円程の手取り額が20万円ほどでした。
夜勤をやるよりも遥かに給料は低くなってしまいます。
資格手当や住居手当、地域手当ても含まれています。
ボーナスは4ヶ月分で、手取り額年間70万円ほど貰えます。
皆勤など成果に応じて、臨時賞与もありますが、残業がほとんどないため残業代がつかないのがマイナスです。
デイケアは新人看護師でも働けるのか?
新人でもデイケアで働くことはできます。
単調なことが多いので、仕事はやりやすいです。
しかし経験がほとんどない状態であるため、何かあった時には臨機応変に動けなくて戸惑うこともあると思います。
病院など看護師が多いところで、ひとつずつ経験を積んで育ってから、デイケアを経験するのが最良かと思います。
新人がデイケアで働こうと決意したら、日々相当な勉強が必要になります。
デイケア看護師の仕事で大変なことや辛いこと
デイケアでは、看護師は基本的に1~2人しか配置されていません。
人手不足もあり、人数確保がかなり難しい状況にあると思います。
そのため、休みを取りたくてもなかなか調整が効かなかったり、急な体調不良などでも休めない状況になることもあります。
また1人で多くの仕事をこなさなくてはならないため、1日の業務内容の予定を立てるのも大変です。
デイケア看護師の楽な部分
排泄も食事も自立している人がほとんどで、圧倒的にケアが少ないため体力的にとても楽です。
状態も安定している利用者様が多いため、急変などのストレスがないのも楽な部分になります。
また定時で上がれるのも大きく、ぐったり疲れて帰宅するというようなことはありません。
穏やかな時間が流れていて、病棟のようにナースコールもなっていないため、静かな環境で仕事ができます。
デイケア看護師の仕事は激務できついのか?
デイケアは激務ではありません。
急性期や重症度の高い慢性期では一日中座れずにケアに明け暮れて、それでも終わらないということもあります。
しかしデイケアでは、身の回りの事はリハビリも兼ねて自分で行ってもらうため、やることが少ないです。
合間に記録をして、効率よく仕事を行うことで休憩時間もしっかり取れるし、定時で上がることができます。
デイケア看護師として働くメリットやデメリット
デイケア看護師のメリットは、ゆっくりとお年寄りと関わることができるということです。
病棟のように忙しく動き回る感じではないため、時の流れがゆっくり感じます。
利用者様が快適な一日を過ごせるようにお手伝いをしている実感を得ることができます。
一緒に一日を楽しめるのが大きなメリットです。
逆にデイケア看護師のデメリットは、医療行為の経験を積めないことです。
日常生活を送れる方が来るので、アセスメント能力も若干下がってしまいます。
デイケア看護師をすぐ辞める人の退職理由ややりがいないと感じる人の特徴
デイケア看護師は、きついという理由で辞める人はほとんど居ません。
人間関係も良好だし、業務も繁忙では無いので仕事をするにはとても良い環境です。
- 定年退職
- 年齢的にきつい
- 家庭の都合
- スキルアップのため
こういった理由で辞める人が多いと思います。
でもメンバーの入れ替えはほとんどありませんでした。
その施設内で部署も異動できるので、とても働きやすいと思います。
デイケア看護師が向いている人や向いてない人の特徴
デイケアの看護師が向いている人は、ゆったりとした時間の中で、看護師という資格を生かして利用者様の状態を観察しながら、一緒に楽しみたいという思いがある人だと思います。
育児をしていたり、看護師として集大成にある人に向いていると思います。
逆にデイケアの看護師に向いていない人は、医療行為を行いながらバリバリ働きたいと思っている人です。
デイケア看護師から転職する際の判断基準
やりがいが感じられないと悩む時が転職時期なのかなと思います。
家庭から出てきて利用者様には楽しんでもらいたいので、こちらもやりがいを持って接することが大切です。
またもっと経験を積みたいという人も、キャリアアップのために色々な分野に挑戦してみるといいと思います。
明確な理由がない場合は、もう少し続けてみるのもいいのかなと思います。
デイケア看護師を辞めることになった理由
まだ経験が浅いうちに慢性期病棟での経験を積みたいと思ったのと、給与を上げたいと思ったのがデイケアの看護師を辞めた原因です。
実際病棟に勤めて夜勤をして、給料はアップしました。
業務的には大変ですが、今までの経験も活かして働くことができています。
大きな病院ではなく、小さな病院でゆったりと楽しめる程度に働いています。
そのおかげで、医療行為の経験もできるようになりました。
デイケア看護師を辞めた後の生活
私はデイケアの看護師を辞めましたが、またいつかデイケアで働きたいと思っています。
それほどに楽しい職場でした。
今はお金が増えたので生活は安定しています。
でも夜勤があることで生活リズムが崩れて体調を崩しやすくなりました。
転職をする時には何に重きを置くかをよく考えた方がいいと実感しました。
今悩んでいる人は、転職後の生活をよくイメージして決めることが大切だと思います。
デイケア看護師を辞めて後悔しないために
このようにデイケアの看護師は
- スキルアップを望まない
- ゆったり利用者に寄り添いたい
- 生活リズムが最優先
こういった人に向いている職場です。
急性期から離れても看護師の仕事はたくさんあります。
当サイトでは様々な職場の特徴を実体験をもとに解説していますので、それぞれの職場の特徴をしっかり把握してから選ぶようにしてください。
※青文字のリンクをクリックすると、それぞれ実際の体験談に基づく記事を読むことができます。
職場環境の把握が最重要
- 人間関係などの職場環境
- 労働条件などの職場の体質
この2つになります。
いくらやりたい仕事内容であっても、この2つで悩まされてしまうと、仕事内容のメリットなど吹き飛んでしまいます。
どんな仕事でも1番ストレスを抱えてしまう原因となるものですので、転職する前に職場環境については必ず把握しておくようにしましょう。
看護師の場合には、看護師専門の転職サイトを利用することで、人間関係の問題もブラックな労働条件も回避することが可能です。
病院の内部情報も把握しているため、事前に相談することであなたに最適な職場を紹介してもらえます。
看護師専門の転職サイト以外では得られないメリットですので、転職時には必ず利用するようにしてください。
デイケア看護師経験者視点によるFAQ
最後に
- デイケアの看護師で悩みを抱えている人
- デイケアに興味を持っている看護師
これらの人からよくある質問をまとめていきます。
口コミ体験談をもとにした経験者視点での分かりやすい回答でまとめています。
デイケア看護師の役割や必要性は?
デイサービスなど日常生活の介助目的ではなく、デイケアは医療的なリハビリが主となる施設です。
そのため医療行為がまったくないわけではなく、医師の指示のもとで褥瘡などに対する処置が必要になります。
もちろんバイタルチェックも重要になりますし、吸引や胃ろうの管理などデイケア看護師の必要性は高くなります。
デイケアで働く看護師によくある悩みは?
デイケアで働く看護師によくある悩みと言えば
- 給与が上がりづらい
- 処置程度の医療行為にやりがいを感じない
- 急性期で必要な医療行為が学べない
こういった悩みが良く聞かれるものです。
後述しますが、施設によっては人間関係に悩まされることもあります。
デイケアの看護師にいじめはある?
今回の体験談では良好な人間関係が描かれていましたが、施設の体質などによっては、もちろんいじめなど人間関係の問題もあり得ます。
施設の体質自体に問題がある場合も少なくありませんし、小さな施設であっても1人問題のあるスタッフがいれば働きやすさは大きく変わってきます。
大人のいじめも社会問題となっていますので、デイケアでもいじめなどの問題がある可能性は否定はできません。
どんな職場でも言えることですが、事前に職場環境をチェックしておくことが非常に重要です。
施設看護師の仕事はつまらないのか?
デイケアなど施設の仕事がつまらないかどうかは、あなたがどんな仕事を求めているのかによって変わってきます。
体験談でも言われているように、ゆったりした時間の中で患者に寄り添うことにやりがいを感じる人には、決してつまらない仕事ではありません。
急性期でバリバリ人の命を救いたい看護師像を思い描いている人ならば、デイケアでの看護師の仕事はつまらないかもしれません。
デイケア看護師で楽しいことは?
デイケアは入院施設とは異なり、ナースコールが鳴りやまない状況などはありません。
ゆったりした時間の中で、レクリエーショなどを一緒に楽しむことができます。
もちろん介護度によって多少状況は変わってきます。
しかし病院のようなピリついた緊張感がない場所で患者と接するということがデイケア看護師の楽しい部分です。
障害者施設の看護師を辞めたいと悩む人は?
デイケア看護師のような働き方を考えている人の中には、障害者施設での働き方に興味がある人も多いようです。
しかし実際にはデイケアと障害者施設の看護師業務には大きな違いがあります。
ゆったりした時間の中で患者と接するということ自体は変わりないですが、障害者施設はコミュニケーションがはるかに難しくなります。
よりじっくり患者と向き合う姿勢や、性格的な向き不向きが大きいと言えます。
詳しくは障害者施設の看護師を辞めたい人に多い理由の記事をご覧ください。