療養型病棟での看護師と聞いて
- ゆったりしていそう
- 人間関係がよさそう
このようなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?
でも実際に働いてみると、
- 残業が多い
- 介護士との人間関係が難しい
- 医療スキルが学べない
こういった悩みを抱える人が非常に多くなっています。
そんな悩みを抱えながら働き続けたとしても、
- 体力的に出産後も働き続けられるか不安
- どんな看護師を目指すべきか見えない
将来の不安はどんどん大きくなってしまいます。
そこで今回の記事では、療養型の看護師に向いている人向いていない人の特徴や、辞める際の正しい判断基準について解説していきます。
実際の体験談をもとに解説していきますので、
- 療養型の現場で実際に問題になっていること
- 具体的にどのような仕事がきついのか
現場に入らなければわからないようなことも、しっかり把握することができます。
今現在療養型で働いている人、これから療養型で働こうと考えている人に必ず役立つ内容です。
看護師が療養型を辞めたいと悩んだ体験談
私は看護師になって5年目から、療養型病院の看護師として働いていました。
以前は整形外科で働いていましたが、患者さんを支えるなど体力仕事が多かったです。
また手術になることも多く、ピリピリした人間関係でした。
療養型病院なら残業も少なく、子育て中でも大丈夫と聞いていたのですが、考えていたような場所ではありませんでした。
今現在療養型で働きながら悩みを抱えている人へ向けて、私の経験をお話ししたいと思います。
- 居住地:沖縄県在住
- 年齢性別:38歳女性
- ペンネーム:ポムポム☆
- 看護師経験年数:8年
療養型の看護師として働くきっかけ
整形外科で働いていた頃は患者さんが多く、時には運ばれてきた患者さんに手術が必要なこともあり、緊迫する場面も多くありました。
やりがいはあったのですが残業も多く、子育て中の私には向いていないんじゃないかと感じていました。
そんな頃療養型の病棟に働いていた友人が、
「残業も少ないから、子育て中の人には向いているんじゃないかな…。」
とそう言われ、残業が少なく人間関係もピリピリしてないというイメージもあったため、療養型で働き始めることにしました。
療養型看護師の仕事内容
療養型での看護師の実際の仕事内容は、下記のような流れになります。
1.申し送り
患者さんの情報・担当する患者さんや、おむつ交換や清拭担当など自分の担当を聞き受けます。
2.朝のラウンド
患者さんのバイタル測定・患者さんのちょっとした変化も見逃さないように観察します。
3.患者さんの体位変換や入浴できない患者さんの清拭や洗髪
介護士とも連携しながら行います。
4.食事介助・食後の投薬
5.午後のラウンド・患者さんのケア
6.カンファレンス
患者さんの看護計画・今後必要な看護について話し合います。
7.看護記録の記入・申し送り
次の担当の看護師に引き継ぎを行います。
※中でも患者さんの体位変換などの仕事が大変で、これが、一番揉めるところです…。
患者さんの前では揉めなくても、後で介護士から文句を言われたり、「私のほうがプロなんだからね!!」とか言われたりします。
療養型の人間関係
療養型の病棟は、はっきり言って人間関係は悪いと思います。
看護師のほうが患者さんに接している時間が多いのに、看護師の補助をしている介護士のほうが、自分がやっている感を出している時が多々あります…。
看護師からは「介護士が偉そうにして」とか不満が出ますし、介護士からは「看護師だからってなに?」という雰囲気が出ており、明らかな溝が存在します。
療養型看護師の大変なこと
療養型病院で働く看護師は、主にあらかじめ決まった仕事をします。
高度な医療行為に関わることはなく、新しい技術を身につけるチャンスはほとんどありません。
それにおむつ交換や入浴介助・ベッドから車いすへの移動など、力仕事でもあり腰痛もちになりやすいです。
病棟経験者がほとんどなので、若い看護師からは、「丁寧に教えてもらえない!!」との不満も多くなりがちです。
療養型の看護師を辞めた理由
療養型病院を辞めたのは、子育て中なのに残業が多かったことです。
何度も「残業を少なくしてほしい」と病院に掛け合いましたが、逆にますます多くなっていきました。
患者さんがいるので仕方ないという思いで働いていましたが、そうしているうちに子どもがお腹が痛いと入院し、虫垂炎との診断を受けました。
幸い命にかかわらなかったのですが、もう少し遅かったらどうなっていたかわからないと言われました。
「ちょっと前からお腹が痛かったけど、忙しそうにしている私に言えなかった。」
子どもがそう言ったとき、子どもにまで気を使わせてまで、仕事を優先していた自分を責めました。
このことがきっかけで、もっと条件がいいところで働こうと考え、療養型の看護師を辞めることにしました。
療養型の看護師を辞めた後の心境
療養型病院の看護師を辞めてからは、毎日が充実しています。
今は総合病院の小児病棟で働いていますが、残業もなく、子どもとの時間にも余裕ができていろいろ話を聞くことができています。
子どもの体調の変化にも気づくことができるようになりました。
前は忙しくて子どもとの時間がなく、体調など子どもが言ってこないと気づかないくらいでした。
もし今現在療養型を辞めたいと思っている方がいたら、今起こせる行動としては別の病棟の空きがないか調べることです。
もし空きがあれば、その病棟へ希望を出すと、通りやすいからです。
病院は常に看護師を必要としています。
療養型看護師を辞める人は多いのか?
療養型病棟での人の入れ替わりは激しいです…。
辞める人は、かなり多いです…。
私が働き始めたときは、私も含め20人の看護師がいましたが、私が辞めるときには半数が入れ替わっていました…。
そこの病院の対応が悪かったという原因もあるかもしれませんが、毎日決まったことをするルーティンワークが耐えられないことで辞めた人も多かったです。
看護師としてのスキルを上げるためには、ルーティンワークでは物足りないと思ったんでしょう…。
療養型の看護師は激務なのか?
療養病院の看護師は、激務と言えば激務です。
それは、入浴介助や排泄介助があるからそう思うだけです。
看護師なら、それくらいどうってことない!!って人がいると思います。
しかし療養型病院には、それが必要な患者さんばかりがほとんどです。
この患者さんが終わったら次はこの患者さん、次はこの患者さん…と休む暇なく介助が続きます。
もちろんほかの業務もこなしながらですので、激務という意味で言えば間違いなく激務です。
新卒看護師でも療養型で働けるのか?
新卒でも、療養型で勤務することは可能だと思います。
ただ勤務することは可能ですが、ほかの看護師は経験豊富な人ばかりです。
食事介助や排泄介助、おむつ交換など、看護師ならできて当然なことは、丁寧に教えてもらえることは少ないです。
そのため自分で考えながら患者さんに接していかないといけない場面がどうしても多くなります。
できればほかの病棟を経験してから療養型で働くのが一番いいと思います…。
療養型看護師の給料
療養型看護師時代の給料は、平均で月収33万円くらいでした。
年収にすると、だいたい400万円くらいですね…。
准看護師の場合は少し給料が低くなり、私の知っている准看護師の方は、月収26万円くらいとのことでした。
療養型病院の中でも、病棟勤務の場合は夜勤手当がついたりもするので高めに思えますが、急変などがある一般病棟に比べると低めになります。
療養型の看護師を辞める正しい判断基準
まず医療的な処置の技術を高めたい人は、療養型の看護師は辞めたほうがいいです。
療養型では急変などが少ないため、高度な医療行為に関わることはほとんどありません。
どうしてもルーティンワークが主になってしまいます。
また、特殊な人間関係についていけない人も辞めたほうがいいです。
患者さんが急変することが少ない療養型では、人間関係がめちゃくちゃです。
あと夜勤がしたくない人も辞めたほうがいいです。
療養型では、夜勤をすることが基本条件みたいになっています。
療養型の看護師として働くメリットやデメリット
療養型でメリットとしては、患者さんと向き合えるということがあげられます。
手術や急変への対応が少ないのでルーティンワークが多く、時間にゆとりを持ち働くことができます。
そのため患者さんとじっくりと向き合いコミュニケーションをとることが可能です。
患者さんと信頼関係を築きやすいというのは、療養型の大きなメリットです。
ほかの病棟に行っても、患者さんとの信頼関係構築は重要な要素です。
逆に療養型で働くデメリットとしては、夜勤があるということです。
療養型病院は入院施設があり夜勤があるため、生活のリズムが整いにくくなってしまいます。
療養型看護師が向いている人や向いてない人
療養型病院に入院している患者さんには、寝たきりの方や意識がない方が多いです。
そのため小さな変化にも気づくことができる観察力の高い人に向いています。
観察力が高いと些細なことにも気づくことができ、医療ミスなど防ぐことができるようになります。
介護などの業務が多いルーティンワークが主なので、それでも、やりがいを感じられる方に向いています。
逆に生活のリズムを安定されたい人には、療養型は向いていません。
療養型の看護師を辞めて後悔しないために
このように療養型の看護師は、仕事はルーティンワークが基本でも患者さんに寄り添った看護をした人に向いています。
今のあなたがどんな看護業務をやっていきたいのか?
病院の種類や病棟によって看護師の仕事は大きく変わりますので、それぞれの仕事の特徴をしっかりと把握して、今のあなたに向いている仕事を選ぶようにしましょう。
看護師の仕事の種類と仕事内容の違い
看護師には様々な働き方がありますので、ここで仕事の種類と仕事内容の違いについてまとめておこうと思います。
今回は急性期以外での働き方について、それぞれの特徴をまとめておきます。
※青文字のリンクをクリックすると、それぞれ実際の体験談に基づく記事を読むことができます。