障害者施設で働き始めたものの、
- コミュニケーションに限界を感じる
- 描いた看護師像と異なる
日々業務を繰り返すうちにこのような疑問を感じていませんか?
障害者施設は病院での業務と大きく異なるため、このような疑問を感じながら働いている人も多くいます。
また仕事内容だけでなく、施設には特有の体質もあるため
- 同僚看護師がほとんど仕事をしない
- 逆に介護士が強すぎて雑用ばかりやらされる
このような悩みを抱えている人も多いと思います。
障害者施設は、施設によって看護師の働き方が大きく異なります。
極端な話、体質の悪い施設の改善は難しくストレスと溜まりやすいため、早めに辞めるべきです。
じゃあ具体的にどんな場合に辞めるべきなのか?
そのきっかけが難しいと思いますので、今回の記事では、
- 障害者施設自体が向いてない人の特徴
- 今すぐ辞めるべき施設の特徴
について、実体験をまじえて解説していきたいと思います。
辞めるべき施設の判断基準や、あなたの今後の理想的な働き方がはっきりと理解できるようになります。
障害者施設を辞めたいと悩んだ体験談
知的障害のある患者さんは、本人のニーズを引き出しづらくて、
- 本当にこの看護でいいのか?
- 相手のニーズは充足されているのか?
悩むことがあります。
しかし経験を積んでいけば、その人の個別性を理解して分かってくるようにもなります。
そこまでの経験を積むのには時間がかかりますが、悩みを解決できた時にはやりがいに変わります。
今現在障害者施設で働きながら悩んでいる人にむけて、私の経験をお話したいと思います。
- 居住地:千葉県在住
- 年齢性別:24歳女性
- ペンネーム:りんちゃん
- 看護師経験年数:3年
障害者施設で働くことになった経緯
大学卒業後に、在宅の経験を積みたいと考えていました。
在宅では知的障害を持つ方もいると知り、まずは病院や施設で理解を深めた方が良いと判断し働き始めました。
就職を決めた当初は、レクリエーションなどもあって、利用者さんたちはある程度日常生活を送れて、和気あいあいとした雰囲気の中落ち着いて業務をして行けるというイメージがありました。
障害者施設の給料
知的障碍者施設の給料は、手当がつくので少し割増になります。
重度の障害を持っている人もいるので、その分の大変さが考慮され手当がつくのだと思います。
私の場合、夜勤を月に8回(3交替)行って、色々な手当がついて総支給35万円ほどです。
3年目にしては、高い方だと思います。
賞与は1回総支給60万円ほど出ます。3月にも寸志が出ます。
障害者施設での仕事内容
通常の業務は、日常生活全般の介助を行います。排泄、食事、清潔管理などです。
ほとんどはルーチン業務です。
利用者さんのレクリエーションの機会には付き添ったりもします。
突発的な仕事は、急変対応くらいですが、そんなにはありません。
残業はほとんどなくて、休日は月に4日ほど出勤があります。
祝日に勤務のこともありますが、ちゃんと代休をもらえています。
障害者施設の看護師業務で大変なこと
障害者施設は一般病棟と違って、コミュニケーションをとるのがかなり難しいです。
話せる方は限られているので、本当に自分のしている看護が正しいのか?迷うことがあります。
また協力的な患者が少ないので、日勤も夜勤も全介助が多くて体力的にしんどい時もあります。
癇癪(かんしゃく)を起こす方もいて、最初は慣れるまで焦りと驚きがありました。
癇癪を起こされることで精神的にまいってしまうことも多々ありました。
満足感が得られにくい
障害者施設で働いていると、話ができる人と関わりたいと悩むこともありました。
会話を楽しむこともできないし、言って貰えないのでひとつひとつのケアに時間がかかりすぎてしまいます。
話せる人と関わった方が、自分のやりがいにつながります。
やりがいに変わるまで、本当にここで働いていけるのか切実に悩むことがあり、仕事をしていることがしんどいと感じることもあります。
非言語コミュニケーションで自信がつく
知的障害がある人との非言語コミュニケーションについての研修に参加するなどして学んで、理解を深めて自信をつけました。
自己満足であると感じることもありますが、相手のためにこれで正しいんだと自信を持つことができました。
知識があるのとないのとでは全然違います。
知識があると、疑心暗鬼にもならないし、根拠を持って相手と関わることができます。
障害者施設の看護師が向いてる人
知的障害者施設は、優しくてゆったりとした心を持った人に向いていると思います。
相手のペースになってしまうことが多く、待つことも多いため寛容な対応をしないとこの仕事はできません。
逆にバリバリ働いて行きたい人には向かない仕事だと思います。
知的障害者施設で看護師が働くメリットやデメリット
看護師が障害者施設で働くメリットは、慢性期の看護に強くなることです。
利用者の日常生活援助を介助するルーチン業務が多く、排泄、食事、清潔ケアの分野に長けます。
デメリットは、急変対応には弱いことです。
さほど急変はなく安定している方が多いので、いざという時のための研修は充実している場合が多いですが、行動にはすぐに移せません。
一般的な病棟で働くよりも、侵襲的な行為が少ないため、採血や検査介助などの力を養うことが難しく、一般病棟に移る際には苦労するかもしれません。
障害者施設の看護師を辞めたいときの判断基準
やりがいが感じられない、悩みを解決することができない、自分の仕事に誇りを持てない場合には辞めるべきだと思います。
しんどい思いまでして働かなくとも、活躍できる場所は沢山あります。
逆に辞めるべきでない人は、すこしでも楽しい気持ちがある場合です。
これからの自己研鑽によって、ここで働けて良かったと思う時が来ます。
障害者施設での経験は貴重
知的障害施設で働くことに無駄なことはありません。
私たちと同じ場で、日常生活を営む知的障害の方も沢山います。
そういった人を支えるための力を養うことができます。
色々と辛い思いをすることがありますが、それもきっと糧になります。
私は知的障害施設で働くことができて、貴重な体験ができて良かったと思っています。
障害者施設が向いていない人の特徴
体験者のような働き方ができるかどうか?
障害者施設の看護師が向いているかどうかは、このポイントが一番大きくなります。
具体的にどんな人が向いていないのか?まとめておきたいと思います。
救急などバリバリに働きたい人
体験談にもある通り、急変の対応などはほとんどありません。
救急対応や急変時の対応など、最前線で人の命を救いたい人には障害者施設は向きません。
特に若いうちに経験する経験値は大きいですので、そういったキャリアを思い描いている人は早めの転職をおすすめします。
非言語コミュニケーションにやりがいを感じない人
非言語コミュニケーションにどうしてもやりがいを感じない人はいると思います。
会話ができなくてもコミュニケーションは可能だ!という反論もありそうですが、否定的な意味ではありません。
体験談にもある通り、どうしても自己満足では?と感じてしまうことも多いです。
性格的に自己満足感が受け入れられない人は障害者施設は向いていないと言えます。
辞めるべきか判断する基準
では具体的に何を基準として辞めるべきなのか?
あなたが今辞めるべきなのか?を判断する基準を解説していきたいと思います。
向いていない人
さきほど解説した障害者施設が向いてない人に当てはまるのならば、すぐにでも辞めていいです。
看護師の経験は数か月でも貴重ですので、早すぎることはありません。
あなたが本当にやりたい看護業務を見返して、その仕事ができる病院へと転職しましょう。
施設の体質に問題がある
冒頭で解説したように、施設自体に問題があることも非常に多いです。
もしその悪い体質が染みついている職場ならば、今すぐ辞めてしまいましょう。
施設特有の体質は簡単には解決できませんし、できても非常に大きな労力を伴うため、ストレスも大きくなります。
障害者施設から転職する際に考えておくべきこと
ただ単に障害者施設を辞めて、あなたがやりがいを感じる総合病院などに転職すればいいというわけではありません。
病院には病院のデメリットもありますので、あなたに最適な職場を見つける意識が重要になってきます。
1番に求めるものは何かを把握する
やりがいを求めて転職する看護師も多いですが、転職後に大変すぎて辞める人も多く存在します。
実際に経験するまでは100%理解することはできませんが、事前に天秤にかけておくことは必要です。
- いくら忙しくても今はやりがいを求めていくのか?
- やりがいは欲しいが心に余裕が欲しいのか?
やりがいだけを求めて突き進むのではなく、一度冷静に整理しておきましょう。
転職先の情報は徹底的に調べておく
あなたの理想が適切に設定できても、その希望に見合う転職先でなければ意味はありません。
看護師の転職は求人が多いため実現するのは簡単ですが、理想の職場を見つけるのは簡単ではありません。
仮にあなたの希望通りだとの仕事だとしても、職場環境に大きな問題があれば長続きはしません。
情報を集めすぎて困ることはありませんので、情報収集は徹底的に行うようにしてください。
できれば事前に内部情報なども把握することができる、看護師専門の転職サイトなどを利用すると良いでしょう。
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