緩和ケアの看護師を辞めたい|向いてない人の特徴や辞める時の判断基準

緩和ケアで看護師として働きながら、自分なりに患者のために頑張ってきたものの、

  • 周囲の意識の高さについていけない
  • 患者や家族から感情をぶつけられメンタル崩壊寸前
  • 看取りの精神ダメージが思った以上に辛い

想像以上に大変な環境に悩んでいる人は多いのではないでしょうか?

 

緩和ケアでの看護師の仕事は、志をもっている人でも、経験を買われて働いている人でもいつメンタルが崩壊するか予測できない特殊なものです。

 

そんな仕事であるからこそ、緩和ケアを辞めたいあなたの悩みは何もおかしいことではありません。

また特殊な環境であるからこそ、合わない人が働き続ければストレスも大きなものになってきます。

  • 根本的に緩和ケアが向いてない人
  • メンタルが限界にきている人

このような状態ならば、一度別の環境に身を置くことを考えた方が賢明です。

 

しかし今現在あなたが辞めるべき状況なのか?

冷静に判断することは非常に難しいと思います。

 

そこで今回の記事では、実際の口コミ体験談をもとにして、

  • 根本的に緩和ケアが向いてない人
  • 辞めるべき状況の判断基準

をわかりやすく解説していきたいと思います。

理想の職場を見つけるコツとは?

まず理想の職場とは?

この2つを両立させることが必要ですが、働きやすい職場か調べるのをあきらめていませんか?

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緩和ケアの看護師を辞めたいと悩んだ体験談

私は大学病院の緩和ケア病棟で、看護師として5年ほど働いていました。

緩和ケア病棟の患者さんは、ほとんどが癌や神経難病の終末期にある方です。

そのため、それぞれ身体的な苦痛だけでなく、精神的な苦痛を多く抱えています。

 

時に終わりのないゴールに向かって走っているような感覚になったり、また時に進んでいるのか後退しているのかという感覚にもなります。

 

緩和ケアに向いているかどうかは「看護師としての資質」ではなく、「答えのない問いを、自分なりに咀嚼できるかどうかという個人の考え方や価値観」によると思います。

今現在緩和ケアで働いて悩んでいる人にむけて、私の経験をお話ししたいと思います。

  • 居住地:愛知県在住
  • 年齢性別:40歳女性
  • ペンネーム:サニー
  • 看護師経験年数:19年

緩和ケアで働くことになった経緯

当時働いていた大学病院で新しく緩和ケア病棟を開設することになり、呼吸器内科、血液内科、神経内科病棟に勤務する看護師の中から経験年数や個人の希望などを考慮してスターティングメンバーが選抜されました。

 

私は緩和ケアに特別興味があったわけではなかったですが、血液内科の勤務が長く、医療用麻薬の使用なども慣れていたため選ばれたのではないかと思います。

 

一般病棟では7:1看護でしたが、緩和ケア病棟では3:1ほどの人員配置になると聞き、大きく看護内容も変わらないので、異動を受け入れました。

緩和ケアが向いてないと感じる

ある同期の女性看護師がとても緩和ケアに熱心なタイプだったのですが、一つひとつのケアをするのにも何か一歩踏み込んで工夫をするようなところがありました。

 

例えば、寝たきりの受け持ち患者さんの入浴介助にしても、リラックス作用のあるアロマオイルを浴槽に垂らして、身体的なケアだけでなく精神的な安寧にもアプローチするような感じです。

 

また、週に1回「お茶会」という催しがあったのですが、比較的若い女性患者さんを受け持つと、お茶会に向かう前に化粧やネイルなどのケアをしている姿もよく見かけました。

 

そこまで患者さんのことを考える彼女をすごいなぁと思う気持ちもありつつ、私は仕事に関しては時間内に必要なことを確実に行うというスタンスだったので、緩和ケアは向かないかもなぁと感じていました。

緩和ケア病棟での悩み

先にも記載したお茶会ですが、残された時間を有意義に過ごすことを目的として病棟内で週1回開催していました。

主にお花見や七夕、クリスマスなどといった季節の催しをするのですが、この準備が私にとってはとても負担でした。

 

企画書の作成、モニュメントの飾りつけ、飲食物の買い出し、報告書の作成などを行うのですが、どうしても勤務時間外に行うことになり、一緒に担当する看護師の熱意が高ければ高いほど妥協しないので時間を取られ、苦痛でした。

対処しても悩みは解決できず

初めのころは自分なりに周囲の熱量についていこうと、同期のケアを参考に入浴介助時のマッサージをしてみたり、お茶会でカラオケ好きな患者さんのデュエットに付き合ったりしていました。

 

ただ、こうした緩和ケアにおける援助というのは、自分が行った看護が本当に患者さんの為になったのか、はたまた自己満足だったのか、とても評価がしづらいのです。

 

自分のケアによって経口摂取量が30%増加したとか、自立歩行が出来るようになったとか、褥瘡が発生しなかったとか、そういった客観的な評価ができないことがほとんどなのです。

 

そのためやる気も続かず、おそらく私自身の元々の性格もあってモチベーションが保てませんでした。

緩和ケアを辞めてストレスなく働けるように

緩和ケアを辞めてからは、自分がストレスフルにならないような働き方について改めてよく考えました。

その結果、しっかりとプライベートを重視できることが重要だと気づき、今現在は開業医で外来看護をしています。

 

もちろん働く環境にもよると思いますが、今の職場は残業も少なく勉強会やカンファレンスなどで時間外労働を強いられることもないので満足しています。

 

看護師としての経験があれば、選択肢はたくさんあります。

本当に自分に合った職場がきっとあるはずです。

緩和ケア看護師の仕事内容

清潔援助や排泄介助、食事介助など患者さんの身体的な看護内容としては、一般病棟と変わりありません。

 

一般病棟の看護よりも時間を割くのはやはり医療用麻薬や鎮静剤の薬剤管理と看取りのケアです。

医療用麻薬は、その導入から増量、スイッチングのタイミングについて適宜カンファレンスを行います。

 

看取りのケアは一般病棟と異なり基本的には面会制限がないため、どの時間帯でも面会者に対応しながら最期の時をケアしなければならないので神経を使いました。

 

緊急入院などで急に忙しくなることがないのは楽でした。

緩和ケア病棟の人間関係

私の経験上、緩和ケアを希望して配属される看護師の方は、とても親身で熱意のある方が多かったです。

 

それ故、どんなに小さなことでも患者さんの為になるならと、残業も苦にしないし、休日でもカンファレンスがあれば出席する方がほとんどでした。

 

対して私は正直そこまでの熱意はなかったので、もちろん仕事は仕事として普通にするのですが、なんとなく相対的に周囲からはドライに見られているようで、居心地が悪かったです。

緩和ケアは新人でも働けるのか?

新卒で緩和ケアに勤務することは難しいと思います。

緩和ケアというのはそれこそ全人的な苦痛に向き合う必要があり、また患者さんの介護量も一般病棟と比べると大きいケースがほとんどです。

 

一通りの基本的な身体看護ができないと、とても患者さんを受け持つことはできません。

そしてある程度色々なバッググラウンドを持つ患者さんとのコミュニケーションの経験がないと、終末期にある患者さんと向き合うことが難しいと思います。

緩和ケアに固執する必要はない

個人的な考えですが、20代30代の若いうちは、色んな職場を見ることができるチャンスなので、ひとところに留まる必要はないと思います。

 

緩和ケアに興味があって働き始めた場合でもそうでなくても、仕事に行くのが憂鬱に感じる日々が続くなら、辞める選択をしても良いと思います。

 

他の現場を見るうちに、自分の看護観も変わってくると思います。

そうして成長した自分ならもっと終末期の患者さんに寄り添えるかもしれません。

緩和ケア看護師に向いてる人はどんな人?

私自身がそうでしたが、仕事とプライベートをしっかり線引きしたいタイプや、仕事において効率性や成果を重視するタイプの人は緩和ケアには向かないと思います。

 

仕事としての看護というのはもちろんですが、それ以前に人をお世話することに生きがいを感じるようなタイプの人が緩和ケアに向いていると思います。

 

ただ緩和ケアに熱心な人でも、ある時自分の思いが報われず、燃え尽き症候群のような感じになって辞めていく人もいました。

緩和ケアの看護師で大変なことは?

ここまでの体験談をもとにして、緩和ケアの看護師で大変なことをまとめておきたいと思います。

結局緩和ケアの看護師に向いている人というのは、大変なことを大変という受け取り方をしない人です。

ここで紹介するポイントを冷静に整理して、あなたに向いている仕事なのかを判断するようにしてください。

周りのスタッフの熱意が強い

緩和ケア病棟の看護師には、時間外や休日もいとわず患者さんのために働く人が多いです。

看護師という職業柄、休日の勉強会や研修などは慣れているかもしれません。

 

しかし本質は休日返上という部分ではなく、それを前向きにやっている人が多いということです。

体験談でも言われている通り、通常業務でも熱意のズレを感じるようならば緩和ケアには向いていません。

患者や家族から感情をぶつけられる

癌と闘う緩和ケアは、その性質上感情をあらわにする患者さんや家族も少なくありません。

  • 痛みに耐えられない患者さん
  • 現実を受け止めきれない患者さんや家族
  • 生活が一変した家族

つらい状況におかれた患者さんや家族から、看護師が暴言を受けるということは珍しくありません。

看取りが続く精神的ダメージが大きい

一般的に治癒を目的としていない緩和ケア病棟では、看取りと向き合う時間を多い傾向にあります。

より患者さんに寄り添ったケアを行う緩和ケア病棟の看護師は、看取りが続く精神的ダメージもより大きくなります。

 

緩和ケア病棟の看護師とは、いわば究極の看護師の姿とも言えます。

ただ人の死と向き合うということは決して簡単なことではありませんので、向いてない人にできる仕事ではありません。

緩和ケアの看護師を辞めるべき状況

このように緩和ケアの看護師というものは誰にでもできるような仕事ではありません。

緩和ケア病棟の看護師を志す人は多いですが、それでも辞めていく人も多いのが現状です。

 

志だけでなく適性があるのか?ということもしっかり把握しておくことが重要です。

ただ現在緩和ケアで働いている看護師で、なんとなく向いてないと感じるからと言って、すぐ辞めるべきではありません。

緩和ケアで働くということはものすごく貴重な経験ですので、学べることはしっかり学んでおいて損はありません。
今学べることを前向きに学んでいく姿勢を持ったうえで、それでも辞めるべき状況を整理しておきたいと思います。

メンタルが限界

看護師の働き方は、生死の最前線だけではありません。
人の死に向き合う最前線とも言える緩和ケア病棟は、人によって抱えるストレスが許容を超えることも少なくないです。
責任感だけが先行してしまい、あなたが精神的に病んでしまっては元も子もありません。
ただでさえストレスの多い看護師という職業ですが、緩和ケア病棟の場合にはいつも以上に気を遣うようにしてください。

意義を見出せない

看護師すべてが緩和ケア病棟のようなケアができなければならないわけではありません。
先にも言いましたが、あなたなりの看護師の姿がきっとあります。
それだけ看護師の働き方は多様です。
保育園やコールセンター、献血センターなど、生死に直接かかわらない働き方もたくさんあります。
緩和ケアにどうしても意義を見出せないとしても、それだけで看護師失格ではありませんので、広い視野を持つようにしましょう。

緩和ケアの適性だけでなく職場選びも重要

緩和ケアの看護師が向いていないという結論に至ったとしても、転職すれば問題が解決するわけではありません。
職場を選ぶ際に重要なのは、適正だけでなくあなたに向いている職場を選ぶことです。
  • あなたに向いている職場の雰囲気
  • あなたに向いている同僚や上司
仕事の適性だけでなく、職場環境にまでしっかり気を配るようにすることが転職を成功させるのに一番重要なことです。
看護業界では転職は当たり前となっていますが、その分自分に合った職場を選ぶ人が非常に少なくなっています。
転職に失敗しても次の職場はまた見つかるでしょうが、その都度ストレスは蓄積されていきます。
できることなら一度で理想の職場を見つけた方が、精神的にも将来的にも理想的です。
看護師専門の転職サイトならば、内部情報まで考慮した転職先を見つけることが可能です。
ただ転職できる病院を探すだけでなく、あなたに向いている職場を探す努力を決して惜しまないようにしてください。

 

※青文字のリンクをクリックすると、それぞれ実際の体験談に基づく記事を読むことができます。

 

 ⇒医療行為はまったくなく保育士業務が主
 ⇒柔軟な対応力が必要だが電話対応のみ
 ⇒母親がやることと同程度の仕事内容
 ⇒医療業界には携わるが医療スキルは得られない
 ⇒保育士の中で看護師としての役割を果たすことに苦労する
医療行為がまったくないと、看護師としての存在意義に疑問を感じる方も多いです。
少しでも医療行為に携わりたいならば、検診センターなどがおすすめです。
 ⇒医療行為としては採血ぐらいで事務作業が主
 ⇒患者が相手ではないためストレスが少ない
 ⇒内視鏡に関する知識は増えるが、検査以外のスキルアップが望めない
検診センターや献血では看護師としてのやりがいが物足りない人も多いでしょう。
病院で患者さんと向き合うことができる仕事の、それぞれの特徴です。
 ⇒人の人生と向き合えてやりがいも大きいがストレスも大きい
 ⇒患者に寄り添った看護が可能だが医療処置は極端に少ない
 ⇒患者さんとの信頼関係を結ぶことができる貴重な職場
看護師の働き方として、施設も選択肢のひとつです。
それぞれの施設に特徴がありますので、しっかり把握しておきましょう。
 ⇒入居者に寄り添った看護重視だが業務内容が多忙
 ⇒看護師の人数が少なく多忙だが、老人介護のスキルが得られる
 ⇒患者に寄り添えるが、仕事内容は介護士寄り
 ⇒医療現場ではない独特の難しさがある
 ⇒意思疎通の難しい患者や家族とじっくり向き合う必要がある

 ⇒相手のペースでじっくり看護していくことが必要

 ⇒スキルアップは望めないが生活リズムを守って働ける
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