グループホームでの看護師業務は
- アットホームな雰囲気で楽しそう
- 病院のようにバタバタしていなそう
こういったイメージを持って働き始める人は多いと思います。
しかし実際に働き始めてみると、
- 認知症の方に付きっきりで大変
- 調理など看護業務以外が多い
- 人手不足で常に慌ただしい
このようにイメージとかけ離れた過酷な業務に悩む人は少なくありません。
さらにグループホームでは過酷な業務の悩みだけではなく
- 介護業務がメインで看護師としての価値を感じなくなる
- 給料が低く上がりにくい
こういった看護師としてのキャリアの悩みも常につきまとってきます。
こんな悩みを日々抱えながらグループホームで働いている看護師に向けて、
- どんな判断基準で辞めるべきか?
- グループホームに向いていない看護師の特徴
- あなたに最適な働き方を見つける方法
これらについて実体験をもとに解説していきたいと思います。
まず結論として、以下に該当する看護師は、今すぐにでもグループホームを辞めるべきです。
- いつか通常の看護業務に戻りたい
- 様々な疾患の勉強をしたい
- 今現在人間関係に悩まされている
なぜこのポイントが重要になってくるのか?
具体的に解説していきます。
グループホームの看護師を辞めたいと悩んだ体験談
グループホームでは看護師より介護士としての業務が多く、調理やレクレーションも担っていました。
認知症の方が対象で付きっきりでいる必要があるのに、施設では常に人手が不足しており業務に追われる日々です。
施設で働き始めた当初は楽しく仕事をしていましたが、そのうちこのままでは看護師としてのスキルアップが得られない、といった不安も大きくなっていきました。
給与もなかなかあがらないし、夜勤手当があってなんとかといった状況でした。
今現在グループホームの看護師で悩んでいる人にむけて、私の経験をお話ししたいと思います。
- 居住地:福岡県
- 年齢性別:33歳女性
- ペンネーム:えみみん
- 看護師経験年数:10年
グループホームの看護師として働くきっかけ
私が新卒で入職した職場は病院でした。
右も左もわからないまま日々の業務をこなし、少しずつスキルアップもしていきました。
ただ病院はもちろん忙しく、業務に追われる日々でした。
そんな中、主人の故郷に引っ越すタイミングで、もっとゆっくり患者さんに関われるような所がいいなと思いグループホームで働こうと思いました。
また、グループホームのアットホームでゆっくりな雰囲気も素敵だなと思ったのもきっかけのひとつです。
グループホーム看護師の実際の仕事内容や役割
グループホームの仕事は、朝のバイタルチェックや所在確認から始まります。
その後服薬の促しや確認、行為動作、整容動作、排泄の促しや介助も看護師として重要な役割です。
必要な方には離床介助も行います。
施設に入居されている方々がホールに集まりテレビ鑑賞や談笑をされている間、必要な方の処置やリネン交換に周ります。
昼には調理に携わることもありますし、体操やレクレーションの役割も担います。
このような感じで昼、夜と作業内容は多岐に渡り、人手不足なためゆっくり話して過ごすということも難しい状況でした。
グループホームの人間関係は良好
グループホームスタッフの人間関係はとても良かったです。
病院とは違って優しいと言いますか、せかせかしていない職員さんが多かったので、その点が大きかったのだと思います。
ただ介護士さんは、必要書類や難しい業務を管理者や看護師に任せる傾向にあったので、気になることもありました。
施設の雰囲気自体はイメージ通りゆっくりしたもので、施設で働く職員さんの雰囲気もそのような方が多かったように思います。
グループホーム看護師の仕事で大変なことや辛いこと
グループホームでは、看護師ではない業務が多いです。
当たり前なのかもしれませんが、グループホーム内のことをなんでもできる必要があります。
管理者からは書類作成などいろんな仕事を頼まれますし、他のスタッフも同様に頼んでくるため業務量がかなり多いです。
勤めていたグループホームは、特に看護師に業務が集中する傾向にありました。
その割にはやはり給料が低いため、辛いと感じることが多かったです。
グループホームの看護師を辞めた理由
私も施設で働き始めた当初は、とてもいい雰囲気で楽しく仕事ができると思っていました。
しかし業務量は多く、レクレーションや調理等、看護業務以外の仕事も多いことで、少しずつではありますが「やはり病院がいいな」と感じるようになっていきました。
そう考え始めると、なんで誰でもできるような仕事を私がこんなに引き受ける必要があるのかと不満が大きくなっていきました。
そのうち自己肯定感が低くなり、看護師としての価値さえ感じなくなってきました。
このような感情が理由となり、このままではいけないと思い切って辞めることにしました。
グループホームの看護師を辞めたあとの心境
グループホームを辞めて、現在は病院に転職しています。
やはり病院は激務で大変なことも多いですが、私は施設より病院の方が合っているのでしょうね。
とてもやりがいを感じながら日々を過ごしています。
やはりグループホームには、合う合わないや向き不向きがあるのだと思います。
辞めたいな、嫌だなと思ったら心には良くありません。
そんな気持ちが大きくなったときは、もう環境を変えてしまいましょう!
ありがたいことに看護師は引く手数多です。きっとここだ!と思える場所が見つかると思います。
よくある質問にグループホーム経験看護師が回答
実際の体験談だけでなく、グループホームに興味のある人が疑問に思う、よくある質問に答えていただきました。
あなたがグループホームに向いているのか?
判断する重要なポイントになっています。
グループホーム看護師を辞めるのはどんな人が多い?
経験年数が少ない看護師さんは、やはり病院に転職したり、もっと給料の多い所に転職される方が多い印象にあります。
施設ではスキルアップができない焦りや、給料の低さが原因かと考えます。
入れ替わり自体はそんなに多くありません。
施設の働き方が合う人はずっといらっしゃいます。
辞める人は、最前線でバリバリやりたいと言う人がやはり多いと思います。
グループホームの看護師は激務ですか?
病院で働いていた頃は、とにかく書類が多かったです。
入院受けや退院処理など、それだけでとても作業量が多くなります。
そんな病院に比べるとグループホームはゆっくりしているため、そんなに看護師としての忙しさは感じませんでした。
しかし、施設のことをなんでもする必要があり、人手不足なので業務量としては激務と言えます。
グループホーム看護師で楽な部分はありますか?
急性期はやはり病態の変化がめまぐるしく、急変される方もいらっしゃると思います。
リハビリテーション病院だと在宅復帰に向けて、その方の生活をしっかり考える必要があります。
療養型や終末期の方も、家族の方のケアやその方の先のことをしっかりと考えなければなりません。
それに対してグループホームは変化が少ないため、時間の流れはゆっくりしている印象にあります。
そのため、その点では急性期や病院に比べると、施設は楽かもしれません。
グループホームは新人看護師でも働けますか?
新人看護師でも、グループホームに勤務することはもちろん可能だとは思います。
しかし、看護業務としてのスキルアップや知識の研鑽という点では、やはり病院には勝ることはありませんn。
施設では関わる疾患の種類も少ないです。
病院である程度勉強したり、いろんな疾患の方と関わって成長してからグループホームに勤務する方が最善かと思います。
新人でグループホームに勤務し、経験年数がある程度になってしまってから病院に転職すると、知識や技術が足りず大変です。
グループホーム看護師手取りの給料や年収は?
やはり病院勤務の看護師の方が給料は良いイメージがあります。
グループホームでは夜勤等手当は出ますが、残業はつく時とつかない時があります。
これは病院でもそうかもしれませんが、大きな病院の方がやはり年収は高いです。
額面基本給はそんなに変わらないかもしれませんが、昇給の度合いや資格手当等を考慮すると、手取りや年収にやはり差が出てきます。
また福利厚生に関しても、施設よりも病院の方が充実しています。
グループホーム看護師として働くメリットやデメリットは?
グループホームの看護師として働くメリットとしては、バタバタしておらず雰囲気がゆっくりしているため、人間関係も比較的良好な所が多いことです。
病院は人間関係が大変なことが多いですし、そういった話を聞くことがとても多いです。
逆にグループホームで働くデメリットとしては、看護師としてのスキルアップが見込めないことです。
施設では看護師しかできない業務も少ないですし、関わる疾患の種類も少ないためあまり変化が感じられません。
施設入居者に体調不良があったとしても、病院に送ることになります。
このような状況では、看護師としてのスキルアップが難しいです。
グループホームの看護師に向いている人や向いてない人の特徴は?
グループホームの看護師に向いているのは、ゆっくりした性格で優しい方が向いていると思います。
またグループホームには、ベテランの看護師さんたちが多い印象もあります。
経験年数が少ない方は、やはり病院等である程度経験を積んで、その後にグループホームに転職されるのがいいのではないかなと思います。
勉強したい!処置など看護業務を頑張りたい!といった方にはあまり向いていない職場だと思います。
グループホーム看護師から転職する際の判断基準は?
基本的には辞めたいなと思い始めたら、すぐ辞めるべきだと思います。
看護師に限らず、そう思い始めるということは嫌な面を多く感じるようになってきた証拠です。
- 勉強したい
- いろんな疾患に携わりたい
- 一般的な看護業務をやりたい
こういった方は早めに施設を辞めた方が良いです。
ただ病院はやはり激務で、人間関係も大変なことが多いです。
今現在グループホームで仕事内容と人間関係両方で悩んでいるのなら、病院に転職するひとつの判断基準になるかと思います。
逆に給料的な不満があっても、ゆっくりいい環境で仕事をしたいという方は施設を辞めるべきではないと思います。
グループホーム看護師を辞めて後悔しないために
このようにグループホームの看護師は、病院で働く看護師とは異なる適性があると言えます。
- 看護スキルを伸ばしたい
- 看護師だからできる仕事がしたい
少しでもこういった気持ちがあるのならば、グループホームの看護師は辞めるべきです。
逆に
- 介護業務が主でも患者に寄り添いたい
- 病院のような緊迫した雰囲気は無理
こういった看護師ならば、グループホームでもやりがいを感じながら働き続けられます。
ただ急性期での働き方を避ける場合でも、看護師には様々な働き方があります。
それぞれの働き方の特徴をしっかりと把握してから職場を選ぶことが非常に重要になってきます。
グループホーム以外の働き方
当サイトでは、急性期以外の働き方についても、それぞれ実体験ベースで解説しています。
どの記事でも、実際に働いてみなければ理解できないような深い内容まで届けることを最優先にした記事です。
気になる施設や職場があれば、必ず事前に目を通しておくことをおススメします。
※青文字のリンクをクリックすると、それぞれ実際の体験談に基づく記事を読むことができます。
働きやすさが最優先
あなたが望んでいる仕事の種類を選ぶことは、看護師としてのあなたの満足度を上げてくれます。
しかし仕事の満足度が上がれば充実した毎日が送れるかというと、決してそういうわけではありません。
働くうえで1番重要なのは、あなたの働きやすい環境であることです。
例えば今回の体験談でも、病院の人間関係の問題について取り上げています。
一般的に急性期などで働く場合には、そのストレスからか人間関係に問題があることも少なくありません。
単に人間関係の問題と言っても、
- あなたが許容できるぐらいの問題なのか?
- 特に大きな問題となる人物はいないのか?
こういった視点を持つことで働きやすさは大きく変わってきます。
望んでいる仕事ができる職場が見つかったとしても、それだけで転職を決めてはいけません。
必ず事前に職場環境に問題がないのか確認しておくようにしてください。
職場環境の問題に関しては、個人の情報収集では限界があるため、看護師専門の転職サイトを利用するのが最善です。
看護業界に精通した転職サイトで、
- 問題のある職場ではないか?
- あなたの望んでいる仕事内容か?
この2つを事前に必ず確認してから転職するようにしてください。